正解のないこと キャンセル料について
出張先で、ドタキャンがあった。
いつも定刻に来てくださる方だ。
予約時間から15分経って、テキストを送って。
30分経って、電話してみた。
出ない。
1時間して、電話があった。日付を間違えていたそうだ。まあまあ近所にはいらっしゃるけど、これから来る気は無さそう。
予約確認メール、変更確認メール、前日確認メール。
勘違いして記憶された日時がしっかり刻み込まれてしまった脳に、これらのメールは全部スルーされてしまう。
私も思い込みでそんな失敗をしてしまうことがある。アプリを使って予定を入力し、前日にリマインドしてくれていても、(10日の9時だよね)と思い込んでいる時には無効だ。ご迷惑をかけてしまった方たち、改めてごめんなさい。
で、ここから気が重いのが、キャンセル料だ。
気が重いならキャンセル料なんてもらわなければ良いのだけれど、そして今まで、殆どキャンセル料を頂いたことは無いのだけれど、すべての確認メールにはキャンセルポリシーが書いてあって、さらに「キャンセルポリシーをご確認ください」と誘導もしている。
私のサロンの当日キャンセル料は予約した施術料金の全額。
色々な人に相談してみたものの、全員答えが違うため、自分で決めた。そう、正解が無いのだ。
特に出張先のキャンセルは、経費がかかっているだけに痛い。でも掘り下げてみれば、私が全っ然お金に困っていなければ、大して痛くもない。
もっと言うと、私は別にお金に困ってはいない。
ここがアフリカだったら。
沖縄だったら。
インドだったら。
「当日キャンセル?施術してないのにお金もらうとか、守銭奴なの?ええやん、飲食でもあるまいし。時間、空くだけやん、カリカリしなさんな、マインドフルネス」
くらいの感覚が常識なのかも知れない。そんな場所で
「前日のキャンセルは50%、当日は100%」
などとメールに記載している私は確かに守銭奴なのかも知れない。
「ごめんなさい」
と電話してきたお客様にキャンセル料のことを話したら「いくらなの」と返され、「いくらなの」にビビって
「詳細はメールします、事故じゃなくて、良かったです」
などと返して切ってしまった。
事故に巻き込まれていたら、キャンセル料をもらわないのか?
予約を忘れて大丸なんかでショッピングしてたら、もらうのか?
それは生活態度の問題なのか?
それとも私の仕事を軽く見られないために?
今後も「忘れてました」で済ませないように?
結局、私の最も苦手な「臨機応変」なのよね。
ああ、ツッコミどころが満載だ。
ここに架空の社長がいたら「社長が厳しくて」などと言いつつ、「本当はキャンセル料なんて頂きたくないのに、社長ったら」とかなんとか、私はやさしいまま、人のせいにできるのに。
(↑腹黒い)
色々考えて、うちのサロンではキャンセル料が発生し、それは予約や確認メールでもご案内しているという旨の文章をチャット君(チャットGPT)と考えて、送信した。
送信してからまた考え、私が恐れていることは、親しかった(と思っている)お客様に、施術をしていないのに料金を請求することで気分を害されてしまうこと、これで関係性が壊れてしまうこと、なのだとわかった。
そして16キロのベッド、サロンのレイアウト変更、ハーブティ、手鏡、たくさんのタオル、お水、汗拭き、伝票、などなど、施術のために準備し、並べていたものを1つ1つ片づけながら、私の場合、予約時間枠の代金を補填して欲しいというお金の穴埋めというよりは、私の準備をないがしろにしてくれるなという感情の穴埋め的な気持ちが大きいのだなと思った。
ドタキャンの概念だって、怪しいものだ。
もし、信頼している誰かに
「当日キャンセルは神様の贈り物なの。その時間は神様がそっといらしているのよ」
なんて言われたら、
「キタ!念願の当日キャンセル!」
などとSNSに書いてしまうかも知れない。
(単純)
そんなこんな考えているうち、人は誰でもミスすることがあるし、キャンセル料なんてどうだっていいや、と思えて来てしまった。メールは送っちゃったけど。
片づけながら、ちょっと写真を撮ってみました。
正解のない問いは、面倒臭いけど、全方位から個人的な常識や価値観が顕れて来て、面白い。
空いた時間でこんな文章も書けた。
色々考えさせてくれたHさん、ありがとう。
今夜、関東に戻ります。
明日からのご予約は
https://reserva.be/iki1114
からどうぞ。
ではでは、サロンでお会いしましょうー!
http://www.iki-aoyama.com/