そういえば。 夜道を歩いていて後ろから明らかにやばめな人の叫んだような大声が聞こえたことがある。(ちなみにわたしの地元ではよくあること)ちょっと構えて耳を澄ませる。向こうの出方をうかがう。自転車か。背後に感じ取れるすべての手がかりに全神経を集中させる。この道は横に曲がるような道は当分ない。こちらに近づいてきているのは確実なのだが声が聞こえてこない。こわい、と思う。なにかが起きても対応できるようにぐっと身体に力を入れ、フットワーク軽く動けるような準備をする。といっても実際に何か
店に入るといろんなことが気になる。他のお客さんのこと、隣との席間はどれほどか、メニューの感じ、机や椅子や食器の感じ、最近は行き過ぎて店員同士の打ち解け具合にまで深入りするようになった(聞き耳立てて空気を感じるだけ)。これはカウンターに座ると手にとるようにして伝わってきてしまう。 ある日、てんぷらやさんのランチ定食をいただきに行く。ひとりなのでカウンターに通される。できたてを食べさせてくれるのだからむしろそのほうがありがたい。このてんぷらさんには以前にも二、三度行っており、記
※2023年8月時点のおはなしです。 ウズナオムオムで季節の野菜サラダを注文。オムオムで食べられる野菜(湘南お野菜便さん)が大好きで。自ら外食でサラダを頼むのはめずらしい。 久しぶりにザ・サラダ、生野菜を食べる。ふだんくったくたに煮込まれたスープ、味噌汁、ラタトゥイユとかを好むわたし。 生野菜って、この盛り盛り(盛り🍚森🌳モリ💪)の盛り付けのおかげもあるけど、自然が迫り来る感じがする。それをぐわぁっと体内に入れることによって自らも自然の中に入っていけるような、一体となれ
蒸し暑い夜の帰り道、無性にRIP SLYMEの「熱帯夜」が聴きたくなる。聴き終えると、黄昏サラウンド、JOINT、oneなども聴き返したくなった。 音をおさえつけるようにフィットさせて安定感が心地よいRYO−Zさん、ビビッドな高音に沁みる歌詞を乗せてくれるPESさん、あのときのキュン!を思い返させてくれて包み込むような歌いまわしのILMARIさん、抑えてるのに唯一無二の存在感が滲み出してしまう、音程もさることながらリズムとの遊びが毎回聞き逃がせないSUさん、そして長きにわた
富士見ヶ丘駅に向かう。暑い。渋谷まで出てから向かうのが乗換案内には出てきているが、下北沢経由で行くことにした。通い慣れた行き方で、エスカレーターやエレベーターの位置などを把握している安心感をとる。大きなキャリーケースを引いて移動するようになってからだいぶ電車や駅のとらえかたが変わった。経験したことのないベビーカーユーザーや大荷物を運んで移動する人たちに少しだけ目を向けるようにはなった。 千代田線での30分余りはSNSの投稿に専念していると一瞬にして過ぎる。気がついたら地下鉄
中学時代をともに過ごした友人三人と再会してきた。一人は中学生から、一人は小学生から、もう一人は幼稚園に入る前から知っている。最後に会ったのは2020年以前だから(2020年を境にする習慣がすっかりついてしまった)、五年以上前になる。 『変わってない(笑)!』 このセリフを何回言っただろう。久しぶりに会ったともだちに言う常套句で、あまりその単語に頼りたくないんだけど、どうしても言ってしまう。そのくらい、何十年前の記憶が、あのときの◯◯ちゃんが、そのまま目の前に現れたみたいな
5/31 ぺしゃんこの空き缶が雨にぬれている 公衆電話ボックスを屋根代わりにして体操をする人 まちがいなくジロっじゃなくギロッ 厚底高校生また会えた 5/29 いつも威勢のいいバス運転手さんの元気が戻ってた 5/28 屋根があるホームなのに雨風でずぶぬれ スプラッシュマウンテンかと思った 5/27 錆びた自転車の鍵が近所に落ちていた、大昔なくしたやつかもしれないなんてファンタジー、とはいいきれない 気分転換は元気じゃないとできない 気分転換するための元気はど
3月11日 月曜日 行こうって思ってから半年経つ歯医者にやっと電話 あとは発信ボタンを押すだけってとき逃げたくなる 歯の症状を伝えるだけなのにビジネス口調 スタジオに電話するだけなのに声がうわずる もう四、五年は通ってるのに BOOKOFFはいって目の前にほしい本 3月13日 水曜日 カレンダーがまだ2月だった ハンドクリームぬらねばって昨日思ってたことを今日思い出す アトリックスで太刀打ちできないほどの手あれ 3月21日 木曜日 外壁の窪みを見つめな
俗にまみれたい。 めずらしくそう思ってふだんは絶対にイートインしない近所のチェーン店に自分の身をぶちこむ。 そこは席間なんてあったもんじゃなくつめつめの店内。隣の人の会話は、すぐにでも自分も参加できそうなくらい丸聞こえ。斜め前の席からは、おたけびのような会社の愚痴がはっきりと聞こえてくる。目の前のソファ席にはカップルが、肩を並べて寄り添う…なんてもんじゃなく全体重を互いに預け合った形相で座って?ねそべっている。一人はテーブルにあごをつけて気怠そうにスマホ画面を眺めもう一人
11/11 買ったばかりのトイレットペーパー袋を小脇に 11/12 満を持しておかわりコーヒー ふかふか絨毯あるいて足が休まる 11/13 あくびして出た涙の跡が冷える (布団の中がいちばんあったかいに違いないのになぜ人はわざわざそこから出て気休め程度の服を着て活動するんだろうといつまでも布団にもぐりこみ真っ直ぐに疑う 往生際が悪いとも言う) 11/14 歩きながらネイルを修正する 基本的なことをまだ聞けずにいる フードかぶると5度くらい違う 夜は躊躇なくかぶ
11/6 パン屋が休みである 地下鉄を潜りっぱなしで六本木 コートも着てないのにイルミネーション 11/7 暗闇にシラサギを見い出す 寝ようとするまでに時間がかかる おにぎりじゃ足りない 5分のコーヒータイムじゃ足りない どうでもいい話が足りない 元気がでない理由を探してたら頭上に星 11/8 コーヒー缶から少しずつ水をこぼしながら歩く人 格子が歪んでゆうゆうとすり抜けられそう 工事現場からハックショイ
11/1 愛想笑いもできないときの顔の筋肉 11/2 あとでのんびりするために今あせって過ごしているこの時間はじゃあ何 焦りたくない本当は一秒たりとも 11/4 日記帳がまた使い終わる 避けていた更衣室を借りてみたらすごいラク 敬遠していた喫茶店に入ってみたらすごいイイ 11/5 花屋にポインセチア 蝉の抜け殻を埋葬する ジム並みに汗かいて誇らしい
隣の家の庭の穴がもっと深くなっている 掘っているところは見たことがまだない 思っていたアジフライの枚数じゃなかった ラムチャイの酔いが今まわる お腹が空いて本と向き合えない マスタードだと思ったらたくあんだった 搾り取られるような質問責め 全身黒のコスチューム集団が今日はハロウィンだということに気づかせてくれる 気づくか気づかないかくらいの顔へのらくがき
たまった洗濯物を銀色の空洞に放りこむ のりが乾いたパズルを木枠にはめる 完成したパズルを夜な夜なピースに戻し箱に仕舞う フランケンを紙で折る リュックを修理に出して長めにお辞儀 引き落とされるがために入金をする
蛍光灯管が点滅滅滅ブックオフ 隣の席の三人組が無口である かなり歩いたけど歩数計は持っていない
やっと網戸を張り替えられた割れた爪と引き換えに DAISOが改装して落ち着かない 口のまわりのマスタードがひりつく