「色句」の作り方あれこれ
春ですねぇ…。
だからなのか。
最近、「ちょっと色っぽい句」をよく見かける気がします。
うふふ。
色句は大好きですよ…。
…と、いうことで。
私なりの「色句の作り方」について、少々書いてみたいと思います。
とにもかくにも「類語辞典」
「類語辞典」は、色句の宝庫です。
違う表現、言い回し…
色んな「言葉」が出てきます。
類語辞典なくして、私の色句はありません。
「場所」
「色」を行う「場所」ひとつとっても、色々あります。
さて、類語辞典で見てみましょうか。
寝室ひとつで、これだけの「言葉」があります。
ここから、何となくエロティックな言葉を、抜き出してみます。
閨房、閨、夜具、床…
何となく、色っぽくないですか?
ちなみに、私が時々使う「臥所」は、「ベッド」で検索すると出てきます。
【例】
悦楽に耽る褥や花朧
「行為」
さて、そのものずばりの、この言葉…
ここを、いかに「美しく」詠むかが、色句のひとつのポイントになってくると思います。
再び、「契る」で検索してみます。
このあたりの表現は、俳句には長いですね。
まぁ使えないこともないでしょうけど。
枕を交わす、肌を合わせる、このあたりは、ほんのりとした色を出してくれます。
単語で言うなら、情交、享楽、情火、情炎などなど。
愛欲、劣情なども使いやすいかもしれません。
一度、類語辞典で調べてみてください。
すさまじい数の言葉が、出てきます。
「絶頂」
これも、場合によっては色句に使うことができます。
絶頂の表現は、使い方によってはとても効果があります。
類語辞典にも、たくさん掲載されています。
「絶頂」「エクスタシー」で検索すると、色々出てきます。
陶酔、恍惚、喜悦…
果てる、歓喜、悦楽。
自句でいえば、
絶頂の嬌声外は春の雷
恍惚の極致山茶花はらり散る
コレですね。
五、七を決めてから季語を決めるやり方
まず「季語以外」の部分を作る。
そこから、合いそうな季語をもってくる。
この方法で詠む色句は、割と「時候」の季語を使っています。
身を繋げ時を忘れて冬籠
冬ごもり乱れ溺れて臥所の夜
昨年詠んだこの2句は、確か後で季語を足した記憶があります。
季語から色句を詠むやり方
まず季語を決め、そこから詠む場合は…
季語について「徹底的に調べる」必要があります。
きごさいをパラパラ見ていると、「色句に使えそうだな」と思う季語は、たくさんあります。
使えそうだ、と思ったら、徹底的に調べます。
そこから、発想するのです。
白木蓮はらり襦袢を落とす夜
季語は、白木蓮。
木蓮の花は知っていましたが…
あらためて、花について調べたり、画像を見たりしているうちに…
あ、襦袢っぽい。
と、思いつきました。
白木蓮の開く様子が、襦袢を脱ぐような。
そんな感じがしました。
白木蓮、襦袢…
脱ぐ、ではないな。
脱がせる、も短絡的。
そうだ、「落とす」だ!!!
実は最初は、
白木蓮襦袢をはらり落とす夜
こう、詠んでおりました。
しかし、これだと「白木蓮」からの「襦袢」の漢字続きが気になりました。
そこで、
白木蓮はらりと襦袢落とす夜
こうしたのですが…
やや三段切れっぽい。
白木蓮/はらりと襦袢/落とす夜
なので。
最終的に「と」を消しました。
白木蓮はらり襦袢を落とす夜
「と」を「を」に変えたことで、中七から下五へのつながりを作ったわけです。
まとめ(参考になる本)
いずれにせよ、色句は手間がかかります(笑)
色っぽい言葉を調べ、季語について調べ…
ですが、「おっ」と思う句が詠めると、とても楽しいです。
個人的には、「インプット」が大事だと思います。
「色っぽい言葉」「色っぽい表現」に、たくさん触れて、自分のものにすることです。
例えば、小説を読む。
もちろん、官能小説でも良いですし。
ちょっと色っぽい小説でも良いと思います。
個人的には、瀬戸内寂聴さんの小説が好きです。
いずれも、中世の男女の愛欲について描かれています。
随所に、「あからさまではないエロティック」が表現されています。
物語としても、とても面白いです。
あと、こちらも「色句」を詠むのに役立ちます。
…びっくりするほど、エロティックです。
あからさまな表現あり、オノマトペあり。
人前で読むと、顔が赤くなる可能性が高いです。
ご注意ください(笑)
さて、ここのところ「色句」が増えてきて…
嬉しい限りです。
しかし、これだけは忘れないでください。
「色は美」
であるということ。
いくら色句といっても、あからさまに詠んでしまっては、ただのエロ句です。
ほんのりと、美しく。
ここ、最重要ですよっ!!!