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接客論_02

私の接客論の根本は「お客さんに買わせることはできない」ということです。これは言われれば当たり前のことですが、本当に理解し、これに則って行動できている人は少ないように感じています。

なぜかというと、店舗には基本的に「月の予算」や「その日の予算」があるからです。これは「予算や目標の金額が必要ない」と言っているのではなく、「その月の予算やその日の予算の達成に固執しすぎる考えを持って接客販売に臨む人がある程度いる」ことを言っています。

その日の予算や月予算を達成することに固執しすぎると、限りある接客回数の中で「この人に買ってもらわないと予算に届かない!」ということを考えながら接客してしまいます。それは必ずお客さんに伝わります。直接口に出さなくても雰囲気(威圧感など)や言葉の節々に「買ってくれ」を感じるのです。

頭では分かっていても、会社や店長などが瞬間の売上に関して固執しすぎると、販売員はどこかでお客さんに対して「買わせよう」という言動につながりやすくなります。

「お客さんに買わせることはできない」のであれば、販売員は何ができるのでしょうか。それは「お客さんに買っていただく確率を上げること」だと私は考えています。お客さんに買わせることはできないけど、お客さんに「この商品が欲しい!買いたい!」と思っていただけるように接することが接客販売だと思っています。

それではお客さんの購入確率はどのくらいだと皆さんは思いますか。ブランド・店舗・商品価格帯などで変わりますが、百貨店内の一般的な店舗であれば10〜20%、もしくはそれ以下だと思います。10人接客して1〜2人が購入すれば良いほうでしょう。野球のバッターの打率のように3割にも達すればスーパースターだと思います。

その「10〜20%の購入確率を1%でも上げるようにすること」が「接客力の向上」だと思います。次回は「販売確率の向上」についてお伝えします。


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