接客論_06
今回は「接客の分解」についてお伝えします。「接客」には色々な要素が含まれいてると思っています。そして分解した要素ごとに考えていくと「接客力向上」のための具体的方法が見えてきます。
私が「接客の分解」でよく使う言葉が「道」です。武士道・柔道・剣道などの武道でも「道」という言葉が使われていますが、この「道」の意味は「極めることはない」と理解しています。「接客」も「極めることはない」という意味では「接客道」と言っても宜しいかもしれません。
「道」を好む武道では「心・技・体」という言葉がよく聞かれます。私は「接客道」もこの「心・技・体」に「知」をプラスした4つの要素に分解できると思っています。そして、この4つの要素それぞれの具体的な内容を取り上げていきます。
まずは「心」です。「接客の『心』」に当たるものは「サービス精神」・「おもてなし」・「気遣い」などマインド的なものになります。これは接客の基本として必要不可欠なものです。「サービス」・「おもてなし」の重要性については会社や上司からも言われている販売員も多いと思います。
2つ目は「技」です。「接客の『技』」に当たるものは「コミュニケーション能力」・「心理学」・「行動経済学」・「ACT(演じる)」などの技術・テクニック的なものになります。接客は人と人の関係から成り立っているものです。「コミュニケーション能力」が関与していることは言うまでもありませんが、人との関わりなので「心理」や「行動経済学」も大きく関わってきます。心理学も行動経済学も学問的すぎるものではなく、「買い物」のおける心理学、行動経済学の知識があると接客にかなり役立ちます。
また「ACT(演じる)」ですが、私は「言霊を入れてお客さんと話す」ことを重要視していました。お客さんに「欲しい!、買いたい!」と思っていただくためには、その商品を魅力的に伝えなければいけません。そのためには「感情が入っていない話し方」よりも「感情がこもっている話し方」のほうが断然お客さんに気持ちが伝わります。
もし自分の大好きなもの(映画、音楽、アイドルなど)を友人に勧める時は、「これすごく良いから騙されたと思って一度見てみてよ!!」と気持ち(言霊)を入れて伝えると思います。言霊が入っているから友人は「そんなに良いなら一度見てみようかな」と思ってもらえるのではないでしょうか。
接客する際もこの言霊を入れてお客さんに伝えることを販売員は必要とされていると思います。最初に入社したアパレル会社では「店舗は舞台、販売員は役者」と言っていました。販売員も劇団員やディズニーランドの従業員(キャスト)のように演じる必要があると思います。その演技や言霊は必ずお客さんを楽しませて、喜んでもらえるでしょう。
次回は残り2つの要素についてお話しします。
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