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HPVでがんになるのは女性だけ?
HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんを発症させるリスクとして知られ、HPVワクチンも女性に対してのみ公的補助による接種が可能となっている。
しかし、HPVは性交渉で感染する性感染症であることから、当然男性にも感染する。
では、男性では感染してもがん発症のリスクはないのか?
答えは、「男性でもHPV感染によりがんになるリスクが増加する」だ。
確かに、HPV感染により最もリスクが増加するのは女性の子宮頸がんリスクだが、HPVが引き起こすのは子宮頸がんだけではない。
膣がん、外陰部がん、肛門がん、陰茎がんを引き起こしたり、のどの粘膜に感染すれば咽頭がん、食道がんのリスクも増加する。
どれくらいがんのリスクが増加するのか?
世界中で発症したがんのうち、4.5%のがんがHPVによるものである。
女性だけでみると8.6%、男性だけでは0.8%という結果となっている。
つまりがん患者のうち、女性では8.6%(12人に1人)、男性では0.8%(125人に1人)の患者はHPVに感染しなければがんにならなかったかもしれないという事になる。
2人に1人ががんになると言われていることから、この数値を1/2倍にすればおおよそのがん発症リスクとなるだろう。
男性でもぜひHPVワクチン等による感染予防をしてほしいと思う。