脳腫瘍は神経回路を再編成する
論文ウォッチでグリオーマに関するおもしろい記事が出ていたのでメモ。
グリオーマについて
グリオーマは脳神経のグリア細胞が腫瘍化したもので、代表的な脳腫瘍。このグリオーマが神経細胞を変化させる分子を分泌することが知られているが、実際にどのような変化が引き起こされるかはあまりわかっていない。
記事の内容
グリオーマの手術の際にグリオーマ周辺の皮質の活動を電極で調べた結果、腫瘍周辺でシナプス結合が増加していた。
腫瘍周辺でもシナプス結合の高い領域と低い領域があり、それぞれの細胞の遺伝子発現などを調べた結果、アストロサイトが分泌するTSP1をグリオーマも分泌することでシナプス結合が促進されていることが分かった。
シナプス結合が高い領域のグリオーマを移植すると、よりグリオーマの増殖が促進された。
要するに、グリオーマは神経回路の再編成を行い新しい神経回路を介して自らの増殖を促進させていることが分かった。
感想
元の論文には記載されているかもしれないが、神経回路の再編成とグリオーマの増殖促進は因果関係がはっきりしていないと感じた。
神経回路の再編成により、免疫の攻撃を防ぐような効果がもたらされているのかもしれない。