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他人の不幸は蜜、そのジャーナリズムはハイエナか?正義の代弁か?

家族に起こった辛い過去から市民の声を代弁したいという信念を胸にジャーナリストになった多香美。
彼女は、
スクープの熱に踊らされ、
自身を見失った結果とんでもない失態を犯してしまう、、、

影響力のある者達の言葉は大衆を不幸に陥れる事もある、
それが不安や不満を煽る内容なら尚更。
それはまるで、
美声で船を沈没させる魔物セイレーンの様ではないか⚓️


利己的な理由で同級生を陥れる女子高生

未亡人女性の心の隙間に入り込み、
ろくに働きもせず口だけは1人前の寄生虫男。

部下の手柄は自分のもの、
自分の失敗は部下のせい。
自己保身しか考えないチーフディレクター。

隣人の不幸を暇潰しの世間話くらいにしか思わない主婦。

表現の自由を謳い、
他人の過去を引き摺り出し大衆へ晒す、
不幸を娯楽に変えて金をせしめるマスコミ。

警察は汚い、マスコミは汚い、権力は、、、
本当に汚いのは?ハイエナと呼ばれるべきは何なのか?
汚い世界にも自身を見失わない為に必要な矜持とは?

セイレーンの懺悔




ミステリーかと思いきや、
結末はあっけなく。
多香美のジャーナリストとしての心情の変化や成長が何だか見守りたくなる内容でした。

私自身、
様々な職種の人達と話す機会が多いのですが、
どの業界でも、
自分より「外側」へ目的や信念を持って行動できている人は強いなぁ、、、
と感じる場面があります。

その人達は、
心に一本の芯が通っている。
他人に何を言われても日々実直に行動している。
話を聞いたり近くにいるだけで勉強になり、
力をもらえます。
いつか自分もそんな存在になれるように頑張らないと💪

ありがとうございました📚🙇‍♂️

#読書記録 #中山七里   #小学館  
#本との出会いに感謝

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