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結局どこの海苔が一番おいしいの?

こんにちは、小林海苔店です。海苔の仕入れ、販売をやっていて頻繁にお客様に聞かれることとして「どこの産地の海苔が美味しいの?」があります。うーん、どこでしょ。というのは無責任かもしれませんが結構問屋でも丁寧にお答えしなければならない質問だと思っています。我々の拠点は千葉県ですので当然千葉の海苔を多く仕入れるのですが、実は北は宮城から千葉、神奈川、愛知、三重、瀬戸内各県、九州各県と全国から美味しい海苔は産地を問わず吟味して仕入れるようにしています。それぞれの産地に色や香り、厚みなど特徴があるわけですが更に細分化する要素として「とれた時期」「とれた浜」「採った人」などが挙げられます。例えば千葉県で生産海域を細かく見てみると南北に長くて北の方の船橋あたりと南の富津あたりでは同じ日に採れた海苔でも見た目や味は変わりますし、更に富津の北と南の下洲あたりでも微妙に差があったりします。そして採った人、これがもう重要でその人がもっているコマ(組合内でどこに網をはっているのか)、収穫タイミングや加工のクセみたいなものが製品になって如実に表れます。実際に漁場を見ていなくても入札では「〇〇番の〇〇さん今年も良い海苔作ってる」とか考えているわけです。各組合では検査員の方が色味や厚みなどいくつかの項目に基づいて「等級」をつけていきます。「特等」とか「一等」とパッケージに付けて販売する海苔屋さんもいますが、これがひとつの美味しさの目安にもなります。単一産地、例えば地方のお土産として購入する時は他の産地の商品は置いていないと思いますのでその売場の比較的高いもの、等級の高いものを購入すれば美味しい可能性が高いです。しかし、皮肉にも沢山の産地をラインナップする専門店やスーパーの棚から自分で選ぶのは難しい。ここはひとつ、スタッフの方に聞いてみるのが良いです。ワインを購入するときも産地やエチケットだけで美味しさを類推できるのはエキスパートだけですよね。海苔のソムリエ、言うなればノムリエのような方がお店にいるはずです。あるいはスーパーの乾物コーナーにも各商品の売れ行きや口コミに精通した人がいるかもしれません。是非お声がけください。最後に、ご家庭でお召し上がりになる場合におすすめなのが「キズのり」「寿司はね」などと表記されているものは比較的お買い得であることが多いです。価格が同じような正規品と比べると端っこが欠けていたり穴があいていたりするのですが、海苔自体の色や味は良いです。当店でも寿司はねの取扱いは多く人気商品のひとつです。色々な味を試して是非お好みの海苔を見つけてくださいね。

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