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「Lost In Tranceration」が好きな理由。

映像から伝わる「空気感」

 年間100本以上の映画を観ているのだが、この映画ほど映像からの感じ取れる空気感を味わった事はない。この映画は東京に放り出された外国人の男女2人が、孤独の中でお互いの孤独を埋め合うという内容の映画だ。

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「孤独感」というキーワード

 長い結婚生活の為、妻と上手くいかないボブ・ハリス(演:ビル・マーレイ)は東京にCM撮影の仕事のため来日する。しかし言語や文化の違いなどで困惑しながら生活するうちに孤独感に苛まれる。ボブと同じホテルに泊まっているシャーロット(演:スカーレット・ヨハンソン)もまた、写真家である夫の仕事の付き添いとして来ただけで、自分は何をするでもなく夫を待っているばかりの孤独な生活だった。そんな2人がホテルのバーで知り合い、ストーリーが展開されていく。

当時の東京の街並みが散りばめられる映像

 2人はバーでの出会いの後に、外に度々出かけては友情を深めて、お互いの孤独を埋めていく。そんな外での映像に映される2001〜2003年頃の東京にとても目を惹かれる。当時の少し汚い秋葉原、街行く人々のファッション、カラオケや焼肉屋などの雰囲気など、現代の人が見たらギャップを感じると思うし、そこがこの映画で特徴的なファッション性がある部分であると思う。

空気感、映像、エンディング、全てにおいて最高傑作。

 孤独というテーマから始まり、映し出される東京の街並み、2人の距離、セリフではないかのような会話から生まれる独特の空気感、そしてエンディングで人混みに囲まれながら会話をする2人。沢山の方に観て頂きたいのでネタバレはしないが、ストーリーが展開していくにつれ飽きることなく世界観に引き込まれ、「オシャレな映画」というべき言葉がぴったりの作品である。センスいい映画を観たい、孤独感を感じている人に是非見てもらいたい。

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