![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55332405/rectangle_large_type_2_01d50d5b6324ffb66349f68df8c84716.jpg?width=1200)
内側から見たミラノ サローネ 5
SOZO_COMの初参加 2008
日本家具産業振興会(JFA)はサローネ初出展にあたりプロジェクトチームSOZO_COM(ソーゾコム)を作り、会員企業にサローネへの出展参加希望の募集をした。その結果、出展企業は(株)イヨベ工芸社、カリモク家具販売(株)、(株)コスガ、(株)添島勲商店、マルイチセーリング(株)、(株)リッツウェルの6社になった。
各社共にミラノ初出展。主催者から与えられた約200msqは6社+事務局で割るとそう広くはない。1社約28msq。ブース内のどこにどの企業を置くか?レイアウト陣取り合戦は結構シビアな問題。そして、最も重要なのは、何を展示するか? テーブル、イス2脚、ソファを置いたらキュウキュウだ。レベルが高く&日本らしい展示会にしたいので出展各社とプロジェクトチームの打ち合わせのスリ合わせが結構大変だった、、
ブース全体の設計は内藤廣 建築事務所が担当。タイプの違う6社の製品を展示しながら、ごちゃごちゃにならず、全体をまとめる為に半透明性の大きなメッシュで各社を仕切り、モダンな "のれん" 風デザイン。同時に、日本の "軽さ" も表現できた良い展示案となった。
参加メーカー6社の展示製品はそれぞれの会社の製品群から選ばれたイチオシ製品が勢ぞろいした。全体のイメージは悪くないが、記念すべきミラノサローネに日本勢の初出展! そこでイメージアイコンになるような、一目見て訴求効果の高い製品が必要と筆者は考えた。
ここミラノで一番有名な日本の家具といえば、遠くは1957年に第11回ミラノトリエンナーレ展でゴールドメダルを受賞した日本の工業デザインの父、
柳宗理デザインのバタフライチェア!(MOMAのコレクションにもなってる)今回は残念ながら出展していないが、天童木工のバタフライチェア(1956年)の出品を強く依頼した。
結果、各社を分ける通路となる「路地」のニュートラルな場所の突き当りにイメージアイコン製品を配置した。通路は2ヵ所あるので、天童木工さんからもう一つ特徴的な剣持勇デザインの柏戸イス (※) も展示することにした。ここに、日本の家具デザインの歴史上初めてのミラノサローネへの出展がスタートした。
※ 餅つきの臼を真っ二つに切ったような無垢の木製椅子。山形が生んだ大横綱「柏戸」の横綱昇進を記念して贈呈されたことから「柏戸イス」(1961年)の愛称に。