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新春雑感 響く

過去の話で恐縮だが昨年末も紅白歌合戦を視なかった。
たまたま家族がチャンネルを変えた時にB'zが歌っていて、次男が「B'z?へえ、紅白ってすごいね」と言ったのに対し、
「ああ、朝ドラのテーマ曲歌っているからね」と答えた、このやりとりの間だけ視聴した。

さらにチャンネルを変えると、トシちゃん田原俊彦さんが踊り歌う場面が現れる。
少し前の映像のようだ、いくらなんでも。
顔はすでに老人に近いのに抜群のスタイルを維持されていて、相変わらずの甘ったるい歌声でキレキレのダンス、すごい方だと思った。
好きとか嫌いとか無関係に響かせるのだもの。

年明け、ちょっとした時間潰しに閲覧した某SNSに上がっていたスレが目に止まる。
誰のこともフォローしていないから私の指向と無関係なスレだ。
昨年末紅白のトリを務めた某女性歌手に関するご意見ご感想だった。

このスレが目に止まったのは、私も常々この歌手の世間と自分の評価にズレを感じているからだ。

正直、全く響かない。
いくら天才的に歌がうまくて海外からも高評価なのだと言われても、響かないのだからしょうがない。
好きとか嫌いとか別の次元だ。

話は飛躍するが、たぶん文章なんかもそうなのだと思う。
馬から落馬したなんて恥ずかしい文章を書いていても、どこかしか誰かしかに響けばそれでオーライなのだ。

いや創作者たるものそういうわけでは…と拘るのはもう時代遅れなのだ。
時代遅れが悪いわけじゃないが、これだけコンテンツが溢れかえる世の中でその主張にどんな意味があるか。
疲れて楽しくなくなるだけだ。

好き嫌いでも優劣でもない、その時響けばいいのだ。
アルミのお椀を叩いたのと銀の鈴を鳴らしたのの違いだけ。
要は余韻。

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