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PQO / Patchwork Quilt Otaku
4月から半年間、月に一回東京中野までキルト塾に通った。
5年前2019年に日本手芸普及協会が発行しているミシンキルトの指導員の資格を取った。
自宅の2階の洋室の壁と床を張り替えアトリエらしく設えた。
WordPressを使ってwebサイトを立ち上げ、本気で自宅ミシンキルト教室をやるのだ!と決めた2020年の1月に新型コロナウイルス感染症が勃発した。
アクセス稼ぎに、教室用に準備した生地でせっせと布マスクを縫ってはウェブサイトにアップした。
布が上質すぎて売っても赤字だから売りはしなかった。
肝心のミシンキルト教室の問い合わせは今日に至るまでゼロを更新し続けている。
ミシンキルトというものを、見たことも聞いたことすらない人が大半の地域である。
手縫いのパッチワークキルトであれば、若い人は「おばあちゃんがやってた」とか、私と同世代なら「母親が親しんでいた」と言われることもある。
パッチワークキルト制作の日本での始まりは高度経済成長期、海外赴任の夫に伴いアメリカで暮らした方が持ち帰ったらしい(諸説あります)
ピークはバブル期だろう。
私が結婚してこの地に来た40年近く前にはこんな田舎にも布を扱う小さな店があちこちにあった。
その後共働き世帯が増え専業主婦が減少するのに比例してパッチワークキルト制作は衰退した。
完成まで長い道のりと根気と、ある程度の資金も必要なパッチワークキルト制作は時代の逆を行く。
ハンドメイド自体はあちこちでマルシェが開かれるほど大盛況で、短時間で作れて見映えのする作品販売やワークショップがたくさんあってどれも人気だ。
パッチワーク作品はそれなりに手間ひまテクニックがかかるので、値段が高くなりがちである。
よほど気に入れば対価を感じるだろうが、心得のある人は自分で作ろうと思うだろうし、作らない人には価値が見えづらい。
ハギレをつぎはぎするから、至極丁寧に作らないと廃物利用のようになってしまう。
かけた時間に見合わない値札をつけることになる。
キルト展などで物販もあるが、あまり手の混んでいない小物雑貨が多い。
販売向けでないというところで、すでに時代遅れなハンドメイドだ。
お金儲け至上主義の現代において。
それではパッチワークキルト愛好者は何を目指すのか?
よりテクニックを磨き芸術的な作品を生み出すことである。
パッチワークキルト制作はマニアの間でのみ循環する、至ってオタクな趣味なのである。(独断と偏見ご無礼!)
というわけでキルト塾を受講するに至った。
ぜんぜん理由になってない!?
長くなったので続きはまた今度!
※ヘッダーは三本珈琲店 羽田空港第1ターミナル 南ウィング店のフルーツサンド。たっぷりのクリームはヨーグルトと和えてあるのでボリュームのわりにあっさりしています。