定番
ある日突然変化に気づく、ということがある。
テレビの通販番組で、使用体験を語る高齢男性の背景の、樹木を輪切りにした一枚板の衝立が無くなっていた。
健康食品や手軽な運動器具の通販番組が、特に衛星放送で盛んで、中にはドラマや情報番組と見紛うのもあった。
最近はごく小さな文字で、これはコマーシャルです云々というテロップが添えられている。
今から30分以内にお電話すればこの値段、というけれど、ネットじゃいつでもその値段である。
ゴミになりそうなおまけをつけてくれていたりする。
自分がターゲットの年齢になり、そんなトラップにかかる同世代がいるかしら?と訝る。
近いうちにその手法も変わるのだろう。
わたしが買いたくなるように…
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気がつけば、コマーシャルに登場しているシニア俳優の服装も、少し前とは全く違う。
パステルカラーのボートネックTシャツに、白っぽいテーパードパンツ、足元はスニーカーだ。
料理研究家の栗原はるみさんが着ているようなボーダーTシャツは我らが世代の定番かもしれない。
ボーダーTシャツは80年代アニエス・ベーが東京初上陸した際に爆発的にヒットした記憶がある。
その後各社が作り、今では定番中の定番になったのではないかと思っている。
全年代の定番といえど、メーカーによって年齢層にマッチした補正がされているのだろう。
負け惜しみじゃないけれど、いや、負け惜しみだけれど、サイズオッケーだからと若者向けのラインを纏うのはちょっとイタく見えることがある。
先日地元のモールに出店しているUNIQLOがフルラインナップになってから初めて買い物に行った。
店内の客のほとんどが同世代かそれより上で、中には親世代もいて、軽く驚いた。
自分を棚に上げて…
私がUNIQLOが苦手なのは、パンツのラインが合わないからだった。太めなので穿けても着心地がイマイチだった。
今回も試さなかったけれど、たぶん前よりゆったりしていると思う。
近いうちにUNIQLOブランドの介護服が現れる予感。
大学病院で、正ちゃん帽に赤いチェックのシャツ、ストレートジーンズで杖をついた男性を見かけた。
男性ファッション雑誌ポパイを彷彿した。
団塊が高齢者層になり、一気に変わったのだろう。
おしゃれな奥様の隣の灰色の男性は見かけない。
自分自身も、還暦で一周回って二十代の頃に馴染んだスタイルに返っているのを感じる。
もちろん、古着を着ているのではないしラインは異なるのだけれど。
それで、実はこの頃足が細くなった。
痩せたのではない、筋肉が落ちたのだ。
わたしは細いズボンが好きで、高校の頃に手持ちのジーンズの脇を自分の足に合わせて縫い込んだことがあった。
もっともっと細くなりたいと思っていた。
今この足にパンツの太さを合わせたら貧弱この上ない。今後ますますそうなるだろう。
寂しいものです…
※ボーダーTシャツのかわいい女の子の画像はPOTTANさんよりお借りしています。
ありがとうございます♪