追いかけて 黒田杏子先生
花満ちてゆく鈴の音の湧くやうに
黒田杏子
先生がお亡くなりになったこと知って、真っ先に思い浮かんだのは「桜花」のことです。桜咲く春、先生はお亡くなりになったのですね。
先生はやつぱり先生花の頃
それで翌日から、生活圏の近くではありますが、毎日のように桜の花を追いかけてきました。どこかに先生がおられるのではないかと思えたからです。
実際そんなことはあり得ないのですが、「先生を慕う=桜の花を追いかける」という図式であったと思います。
[桜の花を追いかけて]
高田川の桜
飛鳥川の桜
初瀬川の桜
京都御苑の桜
紀の川の桜
名無川の桜
そして花盛りの今日、歌聖西行終焉の地である弘川寺を訪ねました。
お昼も忘れて弘川寺および裏山の桜山を逍遥し、その仰ぎ見た桜花に何を感じどう思ったかは、ここでは書きません。というか、書けないのです。言葉として出てこないのです。
ねがはくは花の下にて春死なん
そのきさらぎのもち月の頃
西行
奇しくも西行忌は陰暦2月15日。新暦ではちょうど今頃です。(3月末)
桜の花を追いかけ始めた時から、どこか西行と先生が桜花で繋がっていたのですが、それが弘川寺の満開の桜山で確信となりました。
確信は得たものの、まだ文章としては纏まりません。
桜散る青い山にも分け入って、後日また書きたいと思います。
分け入れば同行二人西行忌
おしまい