室戸紀行① DAY1-1 「徳島港上陸」
1 はじめに
室戸岬へ行こうと思ったのです。
理由の第1は、車中泊の初心者・経験不足なので、1泊で行ける場所にしたいこと。
第2に、季節が初冬、すなわち11月半ばになってしまったから、夜はきっと寒くなる北ではなく、暖かくハレの日が期待できる南がいい。
第3の理由は、趣味の岩石・地層を見たい。
ここで岩石・地層の観察環境が整備されているのは、ジオパークである。
さらにそのジオパークは、外洋との接点、すなわち海岸の岩礁があること。
そうすると、自ずと紀伊半島か四国のジオパークということになる。
[候補ジオパーク]
紀伊半島・南紀熊野(奈良県、和歌山県) ※日本ジオパーク-潮岬含む
四国・室戸(高知県) ※ユネスコ世界ジオパーク-室戸岬含む
四国・土佐清水(高知県) ※日本ジオパーク-足摺岬含む
このうち紀伊半島・南紀熊野は、この春3月、潮岬(和歌山県串本町)で車中泊を実行済みであり、またあすこあたりならいつでも行ける気がする。なので、南紀熊野は今回除外。
また四国の土佐清水(足摺岬)は、自宅からの距離を勘案し(2泊必要か)、室戸の次に行くつもりである。
こんなわけで、今回は1泊で可能な室戸ジオパーク(室戸岬)へ行くことに決めた。
あと一つ、理由というよりも、室戸岬に寄せる密かな思いもあった。
実は室戸岬へは、昔、青春時代、男女混交のグループで行ったことがある。
その時の室戸の景は、陽光に輝いて真っ白…という記憶しかない。つまり景色なんて見てなかったのだ。
あれから何十年も生きてきて、今あらためて見る室戸岬は、はたして自分の真っ白な記憶を満たしてくれる、美しい岩礁と光る海であるのだろうか。
そんなことも、漠然と、アタマのどこかで、考えていた。
行程の詳細は、室戸岬へ行くこと以外、まったく決めていなかった。これが車中泊の強みである。
反面そのせいで、横道・寄り道が過ぎて、車中泊1泊のつもりであったのに、終わってみれば2泊になった。この経緯は、おいおいに、このシリーズで記す。
さて、旅の始まり。
どんな車中泊になるやら。
2 和歌山港(南海フェリー乗船)
もう真夜中のドライブを楽しむ年齢ではない。
それでも夜明け前に、一人ごそごそ起きだし、和歌山港へ向けて車を走らせた。徳島港行きのフェリーが出るのである。
無事乗船。
トラックも乗用車もそんなに多くなく、車両搭載船底に余裕あった。
これから、徳島港まで2時間5分の船旅だ。
和歌山港発 8:25
徳島港着 10:30
3 フェリー船上・船内にて
船上(甲板)
沼島(ぬしま)は、淡路島の南に浮かぶ孤島。フェリー船上からは北に見る。
「国産み神話」では、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と、伊弉冉尊(いざなみのみこと)の間に産まれたとされる、いわゆるオノゴロ島である。
昔、沼島に潮干狩りに行った記憶がある。
あのときも彼女と一緒だったかもしれない。
船内
こうして船上の2時間は、寝転んだり、座ったり、ぶらいたり、スマホしたりして、そう退屈せずに過ごせた。
4 四国・徳島港上陸!
あっ、眉山(びざん)だ!
徳島市の眉山が見える。
数年前のことだが、徳島市に仕事で泊まった時、隙間時間で眉山に登り、歩き回ったことがある。
眉山は、徳島市のシンボルとも聞くが、こうして海から見る眉山も、否、海から見る眉山こそ、徳島のシンボルだと思った。
陸に暮らす人々が見る眉山と、海を行くよそ者が見る眉山。
感動がより強いのは、たぶん眉山を初めて見るよそ者だろう。
5 と、と…大パニックに
徳島港にフェリー着岸。
四国上陸という高揚感を抱きつつ、港内から一般道へ向かう。
これから国道55号線をひたすら南下し、室戸へ向かうのだ。
と、と、と
車の外から、コツコツ、あるいはゴツゴツという音がする。
トラックが後続しているのかなとミラーをみるが、それはない。
アクセルを踏みこむと、その音は小さくなる。スピードアップに伴うロードノイズに消されるのだ。
ということは、音の発生源は、自分の車の下回り?
なにか(棒?)絡んでいるのだろうか。
ま、まさか。
パンク? そんなことないよね(汗)
そのまま1キロほど走ったところで、安全な場所に寄せた車の車輪回りを見る。
異常なし。タイヤ空気圧も減ってない。
再び走り始めるが、ゴツゴツ音はやまない。
このまま走れるだろうか。さらに不安が高まる…
しばらく行くと、全くの偶然だが、「NISSAN」の看板を発見。(自車はNISSAN車)
助かったかも。
速攻、駐車場に入る。すぐみてくれるか心配だが。
幸いにも、平日午前のせいか、そんなに車もお客もおらなかった。
困ったのを見かねてかもしれないが、すぐ点検しますとの対応。待ち時間に飲み物までサービスしてくれて。(ミックスジュースを所望した。)
ここで整備工場から出て来た整備士さんに状況を説明。
「まずは下回りをみてみます」
ありがたい。
キーを渡す。車は工場へ移動。
十分後、工場から出てきた整備士さん。
スマホ画面を見せて言うには、なんとなんと…
右前輪タイヤにボルトが刺さっている!
つづく
DAY1 2024年11月12日 ①(本記事)
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