和歌浦散歩②「海岸美を読む」
群馬県藤岡市に「三波(さんば)石峡」という名勝地があります。その峡谷を流れる三波川は、下流で利根川水系神奈川(かんながわ)に合流する第2次支流なんだそうです。
「三」の意味は、参加の「参」と通じて、「いくつもまじること」だとか。また「波」は「なみ」なんでしょうね。どうりで、藤岡市の地図を見ますと、いくつもの第3次支流(?)が三波川に流入しています。
このような第3次支流を抱える河川は全国至るところにあると思います。では「三波川」と名のつく川は全国にどれぐらいあるのでしょう。
ネット検索しますと、高位ヒットするのは、はやり群馬県藤岡市の「三波川」です。ほかはそんなに数ないような感じです。(詳しく調べてません。)
なぜ藤岡市の「三波川」が有名なのかと言いますと、「三波川」に由来する「三波川変成帯」なるものにあるようです。
「三波川変成帯」って?
これもネットで検索しました。信頼できそうな記事として「大鹿村中央構造線博物館」ホームページに到達しました。
[三波川変成帯の岩石]
「三波川(さんばがわ)変成帯は、中央構造線の外帯側に、関東から九州まで続いている地質帯です。三波川の名前は、埼玉県と群馬県の県境を流れる神流(かんな)川に群馬県側から合流する川の名に由来します。」
(「大鹿村中央構造線博物館」HPより)
※「変成岩」とは、岩石が、もともとできたときとは異なる温度や圧力を受け、固体のまま化学反応が進み、もとの岩石とは異なる鉱物の組み合わせになったものです。
(同)
中央構造線と言えば、だいたいが知っておられると思うのですが、「関東から九州に伸びる長大な断層」のことですね。
[中央構造線ってなに???]
そうなんです。実は近畿地方の中央構造線は紀伊半島の付け根あたりを東西に走っているのですが、和歌山県では紀の川左岸がその構造線の南外帯にあたります。その三波川変成岩の露頭が観察できるのが、本日ブログのテーマ・和歌浦の海岸に見る岩相となります。(二枚上の引用写真の緑色の部分が和歌浦あたりになると思います。)
(ああ、ここまで来るのに説明長かった💦笑)
前置き長くなりすぎましたが、さっそく和歌浦海岸の三波川変成岩を見ていきましょう。
新和歌浦観光遊歩道は、和歌浦漁港から田ノ浦漁港までの約900mの海岸沿いの道です。
使われなくなった灯台やホテル(廃ホテル多し)、砂浜などを経由しながら海岸を逍遙します。
ねじれた岩の一つ一つの説明が困難です。写真中心となります。悪しからず。
「おー、すごいな!」と感じるだけの素人ですので。
「蓬莱岩
新和歌浦は、おもに泥質片岩です。蓬莱岩は砂質片岩と泥質片岩の互層です。」だそうです。(同)
三波変成帯は、1億~8000万年前の造山によって形成したといわれています。途方に暮れる時間軸ですね。
この花は今年生まれて咲いたものでしょう。
和歌浦の海に真向こうように、レンガ造りの鐘楼がありました。銘板に「夢の鐘」とあります。
ロープが垂れていて、それで勝手に鐘を撞いても良さげでしたので、一つ鳴らしました。
秋の濱淋しく響く夢の鐘
本日のブログは、面白くもないテーマ(地質)を選んでしまいました。これは自己満(記録と考察)の記事ですな。ご興味ない方はスルーお願いします。←最初に言えや!笑
性懲りも無く、次回ブログは和歌浦散歩③「廃ホテル考」(終章)の予定です。たぶん。
2023.8.12