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室戸紀行⑥ DAY2-1 二日目の朝 日和佐城から千羽海崖へ


1日目の車中泊。
車内温度は、日中の小春の名残りかそう寒くない。むしろ適温。食べ物も飲み物もあるし。

だから特段の問題ない…はずなのに、快適環境が作れなかった。
空間の大小のことではない。なんというか、伸ばした足の置き所の違和感とか照明光度や方向とか…そんなこまかいことである。
たぶん、慣れるまでのサバイバル生活とはこんなものなのだろう。

車中泊の旅という非日常に、多少不安またはコーフンしているのかもしれない。

眠れぬ夜をSNSやYouTubeで過ごす。

そしていつか寝てしまい、起きたら6時を過ぎていた。


こうして、二日目の朝。

お湯を沸かし紅茶を淹れ(コーヒーやめて半年になる)パンを囓り、電気カミソリでひげを剃り、公共トイレで歯磨き・洗面などを済ませる。

今朝一番に行くところは、昨夕、日和佐川の向こうの山頂に見た日和佐城と、そこから遊歩道が始まる千羽海崖(海蝕崖)とする。あまり時間はないが。


「四国のみち 千羽海崖を望むみちコース」


日和佐城への観光道路がある。道の駅駐車場からお城まで10分ほどの距離だろう。


日和佐川に合流する奥潟川(おくがたがわ)の船だまりからお城を望む


可愛いお城だこと!


山頂駐車場。あれは車中泊の車かな?
(ここで車中泊してもよかったかも)


朝日を浴びる日和佐城


城山神社


「古老天声」とあるのが面白い(悪い意味ではなく)


「願いごと一つにきめて拝むれば城山神は我を救わん」

←こんな楽観主義、好き。



お城から始まる千羽海崖。ここも室戸阿南海岸国定公園の一部である



[国定公園とジオパーク]

千羽海崖への遊歩道入口に「室戸阿南海岸国定公園」の説明板が建っていた。

遅ればせながらになるが、ここで今回の旅の目的地である「室戸阿南海岸国定公園」と「室戸ユネスコ世界ジオパーク」について、情報を整理しておきたい。


阿南室戸海岸国定公園

本公園は四国東南端に位置し、北は徳島県の橘湾から南は高知県の室戸岬一帯までの海岸線延長200kmに及び、海食、隆起、沈降作用による変化に富んだ海岸景観を主体とし、海洋性レクリエーションも盛んな公園です。
また、室戸岬山頂の展望台からは雄大な太平洋が一望でき、夕陽の見物には最高のポイントです。(高知県HPより)

なお、国定公園は、国立公園に準じる景勝地として自然公園法に基づき環境大臣が指定し、都道府県が管理しています。(環境省HPより)

赤色部分が「室戸阿南海岸国定公園」
「海岸」と呼称されるように指定地域はすべて海岸だという(「内陸部」なし)



室戸ユネスコ世界ジオパーク

2011年9月20日に世界ジオパークに認定された“室戸ジオパーク”は海洋プレートの沈み込みと室戸沖にある南海トラフに沿って起こる巨大地震によって新しい大地が誕生する最前線。室戸半島の岩石や地層には地球の営みが記録されています。(高知県観光情報サイトより)

※ジオパーク(大地の公園)とは…ユネスコの支援のもとに世界ジオパークネットワークが推進しているもので、学問上重要な地質や地形を含む一種の自然公園です。ただ地質のみを対象とするものではありません。(高知県観光情報サイトより)

ちなみに、ユネスコ世界ジオパークが認定する、日本における世界ジオパークは、現在9地域ある。
洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸、隠岐、阿蘇、アポイ岳、伊豆半島。(2022)

世界ジオパークとは別に、日本ジオパーク委員会が認定する日本ジオパークもある。現在46地域。(2022)

室戸ジオパークは、海岸部、内陸部を含む室戸市の全域がエリアだという




話を千羽海崖に戻します。


千羽海崖(せんばかいがい) 

千羽海崖は、約2kmの海岸に、高さ200メートル前後の海蝕崖がつづき、豪壮な光景を展開している。
室戸阿南海岸国定公園の中で、室戸とともに特別保護地区の指定を受けている。(現地説明板抜粋)

※特別保護区の上位はなし。それほど重要ということ。


四国のみち(四国自然歩道)の一部



全部見てみたい海岸だが、全線トレイルの時間的余裕がないので、海崖の見えるところまで行ければラッキー、という程度にしようと思う。


城山から日和佐の町を眺望(右は日和佐川)


ウミガメ上陸の大浜海岸


大浜海岸から独立してある「立島」


トレイルの道をぐんぐん行く


東の海に光る朝日


凪の海


これはもう太平洋だ(紀伊水道ではない)


「魚つき保安林」


保安林には、水源涵養保安林はじめ17種類の保安林があるようですが、ここはそのうちの一つ「魚つき保安林」ですね。

「水面に対する森林の陰影の投影、魚類等に対する養分の供給、水質汚濁の防止等の作用により魚類の生息と繁殖を助けます。」(林野庁HPより)

へえ〜
「水面に対する陰影の投影」か。
それは陸の人間には思いつかないことだ。漁師さんや魚族の身になってみないとね。


そろそろ海崖見えるかな


もう少し先まで


ぬ?


「爆弾投下跡」の説明板


「水産高校を工場と間違え、狙いが外れ、一発がここに落ち…」

ほんとかな? 
日和佐の町に軍需工場はあったのかな。
空母に帰還する爆撃機の故意の落とし物ではないんかな。爆弾余らせたら任務未遂行になるから。(想像です。)



30分以上歩いて展望所まで来た。ここで引き返すことに


(誰だ? このおっさん)


岩相=海成層砂岩



次回記事では、徳島県最南部(海陽町)まで行きます。室戸ジオパークまですぐだ。


つづく

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