見出し画像

「イコハク」 歴史に憩う橿原市博物館


「イコハク」?

行こ博物館
憩う博物館
の略?

この橿原市博物館のチラシには「歴史に憩う橿原市博物館」と書いてあります。なので、おそらくこれを略して「イコハク」でしょう。「行こ」にもかけてあるようにも。


このイコハクは、めでたく開館10周年を迎えたらしく、その記念として、秋季特別展『伊勢の歴史』が開催中とのことでした。




[秋季特別展『伊勢の歴史』 ]


「歴史に憩う橿原市博物館 秋季特別展『伊勢の歴史』」チラシ


奈良にいながらにして伊勢を知ることができるならもうけ、とばかり、雨雲も切れてきたしするので、さっそく行ってきました。



「歴史に憩う橿原市博物館」
観覧料300円(JAF割引270円)


特別展示室の入口で、ここは奈良県橿原市なのに、なんで三重県の伊勢なの?

と素朴に思いました。

それで展示解説文を読んだり訊いたりしました。その結果は次のとおりです。


[橿原市と伊勢市の共通点]
①伊勢神宮、橿原神宮という「神宮」を擁すること
(「神宮」とは皇室と縁が深い、格式の高い神社の称号)
②橿原市は伊勢街道(江戸時代)でお伊勢さんとつながっている
③天武天皇(藤原京造営着手)は娘・大伯皇女(おおくのひめみこ)を伊勢斎王に向かわせた
(藤原宮跡は、橿原市内の醍醐町にある)
上記に加えて、どうやら両市の間で観光連携もあるようです。そういえば、ロビーに伊勢の観光パンフが置かれていた。


さて、前置きはこのくらいにして、特別展示室に入りましょう。
(フラッシュなしなら写真撮影可)


「ここは神風の伊勢国、、、」(日本書紀)


日本書紀に、「ここは神風の伊勢国、、、大和のそばにある美しい国」と書かれる伊勢。

この「神風の」は、伊勢にかかる枕詞だという。

私もたびたび訪れる伊勢。伊勢国の美しさは、まごうことなき真実だと思う。


特別展示室
「縄文時代の三重の中心 佐八藤波(そうちふじなみ)遺跡」
縄文時代の遺跡は、宮川流域、五十鈴川上流域で、多く分布(抜粋)
「伊勢は東日本と西日本の文化が交わるところ」(抜粋)
「土器の出土状況から、古墳時代の到来とともに、伊勢と橿原のつながりも、物資を入手するための地域間交流から、より文化的なものへと変化」(抜粋)
「斎宮(さいくう)前史 昼河(ひるご)古墳群」(抜粋)
「伊勢と橿原の交流は、少なくとも縄文時代までに遡り、約3000年の歴史を経て、現在につながっています」(抜粋)



[常設展]

むろん常設展もあります。


常設展は「かしはらの夜明け」(縄文時代)から始まる


常設展では、約600基もの古墳が集まって形成された「新沢千塚(にいざわせんづか)古墳群」のコーナーが充実しており、大変興味深い。

新沢千塚古墳は、イコハク隣にあって(この古墳群があるから当地に博物館が設置された?)、現在、古墳公園として整備されている。

新沢千塚古墳の出土品のなかで、特に目をひくのは、なんといっても126号墳副葬品の「ガラス椀」です。


「重要文化財「ガラス椀」(126号墳副葬品)」(ホンモノは東博にある)



このガラス椀は、遠く西域からはるばる旅してきたものなんだから。


「126号墳副葬品の交易路」


交易路を見ていると、ほお~と感嘆し、奇跡を感じる。
よく割れずに、橿原までと。


これでイコハク特別展の記事は終わりです。


このあと、新沢千塚古墳群の園内を散策しましたので、次回記事で126号墳含め、ご紹介したいと思います。

2024.11.29
投稿11.30

つづく