紀州黒江残照「琴ノ浦温山荘 」
[和歌の浦と海南市]
和歌の浦といえば、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)や片男波(かたおなみ)などが絶景の宝庫としてつとに有名ですが、その和歌の浦(和歌浦湾)の南限が、じつは海南市域まで広がっていることは知りませんでした。
海南市、といえば、石油コンビナートが思い浮かびます。それほど大規模な臨海工業地域なんですね。金属工業とか発電所とかも立地しています。
その景観の中に、古の万葉集に詠まれた「黒牛の海(古黒江湾内にあった古代の入江)」の面影を見るはずもないと思っておりました。
そんなふうでありましたが、一個所、ここも名勝和歌の浦だったか、と思わせる海岸、そこに造られた日本庭園があることを知りました。
それが琴ノ浦温山荘です。海水を引いた池の水位が潮の干満によって上下する珍しい「潮入式池泉回遊庭園」だそうです。
[琴ノ浦温山荘 ]
前置きが長くなりましたが、それでは琴ノ浦温山荘 ・潮入式池泉回遊庭園を回遊いたしましょう。
この庭園は、実業家・新田長次郎という人物によって造られたということです。広さは18,000坪(約6ヘクタール)あります。なかなかの広さです。
庭園が国の名勝、主屋などの建造物が重要文化財に指定されている。
干拓、埋立。。。そして工場立地、あるいは集客施設群(和歌山マリーナシティ、ポルトヨーロッパ、黒潮市場)。。。変貌する和歌の浦の南端に、ひそかにしずまれる琴ノ浦温山荘。
これまでの海南市のイメージを一新する発見でした。
にっぽんにはいろんなとこがあるね。知らないことがあるね。
2024年5月某日