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奈良県御杖村の半夏生園
前回記事では絶滅寸前種(奈良県)のモリアオガエルをご紹介しました。今日は準絶滅危惧種(奈良県)のご紹介になります。「半夏生(ハンゲショウ)」という植物のことです。
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「半夏生」は、ドクダミ科ハンゲショウ属に分類される多年草です。全国的に生育の適地が減少しており、半数以上の都県で絶滅危惧種または準絶滅危惧種に指定されています。奈良県では準絶滅危惧種であり、なのでここにご紹介する「半夏生」は稀少な事例です。
稀少ではあっても、特別半夏生が好きなわけではありません。むしろなんとなく暗いイメージもあります。なぜなんでしょう?
一つは、季節の半夏生にはさまざまの「禁忌」があることと関係していると思います。例えば、井戸に蓋をしなくてはならない、野菜を食べてはならない、作物の種をまいてはならないなど。
また「半」「下(げ)」という文字と発音から受けるイメージや、ドクダミ科の生育地(湿地)の環境もいやな感じを抱かせるのでしょう。
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さて、前置きが長くなりましたが、そんな「半夏生」の群生地へご案内しましょう。
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ここは奈良県御杖村です。
車をとめた集落のはずれにある獣害柵?の扉を開けて山に入ります。山道を少し歩きます。
人工林の薄暗い空間に入ると、ちょっとひやっとします。谷側のやや平坦な土地にはかつて水田があったものと思われます。
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地面は、じめじめしています。
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人工林を抜けると、開けた谷が、わーっと広がります。一面の半夏生です。
ただの草、との声も(笑い)
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去年来たのは7月17日でした。谷を埋め尽くすほど一面が白く、また花も咲いていました。
以下に、2022年7月17日の写真(全景、花)を掲げておきます。
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本日は6月25日。約一ヶ月早いとこんな状況だということがわかりました。もっといっぱいの白い葉と花を見るにはまだ時間(日)がかかりそうです。
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「名前の由来は、半夏生(太陽の黄経が100°になる日)の頃に花を咲かせることに由来する説と、葉の一部を残して白く変化する様子から『半化粧』とする説がある。また、葉の片面(表面)だけが白くなることから、古くはカタシログサ(片白草)とも呼ばれている。」案内板転記
どちらの説が有力なのでしょう?
私は、この時期に咲くというたんなる事実の提示より、片白草、半化粧の方が味わいがあると言いますか、なんとなく未完成であることが感じられて、好きです。
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これまでの人生を振り返れば、何一つ最後まで成し遂げることなく、生きてきた。いつも中途半端。次々と入れ替わるテーマに対し半分だけ囓って、そのまま放置してきたような気がする。そして今、行き着いたかもしれないのが、このブログなのだが。これでよいのかどうか。わからない。
ことしまた齢を重ね半夏生
おしまい