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桜花賞最終追い切り診断

4/12(日) 桜花賞(GI) 阪神 芝1600m

阪神牝馬Sのnoteでも触れたとおり、今週から新たな試みとして追い切り時の平均ラップ(AVE)を併記している。

全体時計やL1の時計だけでは掴みにくい追い切りの「負荷レベル」を推し量る一つの指標として参考にしてほしい。

以下に紹介しているAVEは、過去の桜花賞出走馬の平均ラップ(最終追い切り時のもの)となる。

追い切り診断を行う上では、馬場差、コース取り、単走、併走といった差違は当然考慮しているが、AVEはあくまで追い切りの負荷レベルを相対的な観点で比較する材料として参考にしていただきたい。

2019年
1着 グランアレグリア(AVE/13.80)
2着 シゲルピンクダイヤ(AVE/13.40)
3着 クロノジェネシス(AVE/14.40)
2018年
1着 アーモンドアイ※濃霧により測定不能
2着 リリーノーブル(AVE/14.07)
3着 ラッキーライラック(AVE/14.10)
2017年
1着 レーヌミノル(AVE/13.87)
2着 リスグラシュー(AVE/13.78)
3着 ソウルスターリング(AVE/13.50)
2016年
1着 ジュエラー(AVE/13.50)
2着 シンハライト(AVE/12.98)
3着 アットザシーサイド(AVE/13.50)

ご覧のとおりAVEの水準にフォーカスすると、栗東坂路でマークしたシンハライトの12.98から昨年クロノジェネシスが栗東CWコースで計時した14.40のレンジが一つの目安となる。

今週の最終追い切りで栗東坂路49.50(AVE/12.38)をマークしたレシステンシアがいかに突出したケースかは、歴代の活躍馬と比べてみても一目瞭然。

桜花賞の最終追い切りの定石を覆す結果となるのか、はたまたこれは異常値として今後の教訓として活かされるのか、もちろん現時点でその答えを知り得る状況にはないわけだが、私の頭の中ではおおよそこうなるだろうという答えは出ている。

弥生賞時にはワーケアよりサトノフラッグが一枚上と明言。
チューリップ賞ではレシステンシアではなくマルターズディオサを本命抜擢。

理由はそれぞれ異なるが、伸び盛りの3歳馬を見るにあたって大切にしていることは過去のレースで得た先入観を持ち込まないこと。

具体的には過去のレースで得たイメージでもって追い切り内容を見るのではなく、あくまで今回の追い切りから得られた情報をもとに、実際のレースでの動きや結果を確認する手順を基本姿勢としている。

阪神JFのレシステンシアのレース振りをそのまま受け止めていれば、まずチューリップ賞でマルターズディオサに本命を打つことはなかっただろう。

追い切り診断を開示しているこのnoteの強みは、多くの人が気づかないであろう各出走馬の「強み」「弱み」を言語化できるレベルまで分解し、どういった「根拠」で良しあしを判断しているのか、その態度を明確にしていることにあると考えている。

今年の桜花賞で皆さんが気になっている馬をこのnoteではどのように評価しているのか、一致しているのか、幾分ずれているのか、それとも真逆なのか、いずれにせよ私なりの根拠は明示しているつもりなので、桜花賞1週前追い切り診断の内容とともに、楽しんでご活用いただければ嬉しく思う。

それでは、お待たせしました。

第80回桜花賞追い切り診断本編の内容をお楽しみください。

ナイントゥファイブ
4/8(水) 栗東 坂路 良
52.5→38.1→24.7→12.3(AVE/13.13)
・馬なり単走。
・終始長手綱でコントロール下にあったようにハミ受けは問題なく、無駄な動作を一切しない大人しい馬。
・L3付近、L1付近で肩鞭を軽くいれる程度で馬の前進気勢に委ねた追い切り。
・それなりに時計は出ているが、弾ける様子はなく、ジリジリ脚を使う印象が強い。
・多少手綱を抑えるぐらいの手ごたえが欲しかった。

チェーンオブラブ
4/8(水) 栗東 坂路 良
52.7→38.1→24.8→12.2(AVE/13.18)
・馬なり単走。
・まだ体幹が弱く、フラつきながらの登板。
・終始右手前で駆けており、本質的には左回りコースに適正があるように思う。
・脚さばきは素軽く現状は良馬場マスト。

スマイルカナ
4/8(水) 美浦 南W 良
68.8→52.9→38.6→11.5(AVE/13.76)
・馬場の9分どころを単走馬なり。
・終始リラックスした様子で、変に力むことなくL1も脚勢を伸ばす。
・鞍上の柴田大知騎手も完全に手の内に入れている様子だが、あまりに折り合いがつきすぎている点が逆に気がかり。

サンクテュエール
4/8(水) 美浦 坂路 良
54.4→39.4→25.5→12.5(AVE/13.60)
・併走馬なり。
・終始左手前1本での登板。察するに利き脚は左で本質的に右回りコースは合う。
・正面からの映像でも、1完歩ごとに体全体で収縮運動がなされている様子が読み取れる。
・騎乗者の手の位置に変化はなく重心やや高めの後ろ。手綱を緩めればグンと伸びそうな気配充満。

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