調教診断

弥生賞1週前追い切り診断

3/9(日) 弥生賞(GII) 中山 芝2000m

某競馬サイトの一週前想定オッズを見る限り、ワーケア(手塚厩舎)サトノフラッグ(国枝厩舎)の2強対決といった予防線が敷かれた節のある、今年の弥生賞。

昨年は道悪馬場を味方につけたメイショウテンゲンが勝利を収めた一戦となるが、週末の天気予報を見る限り、弥生賞当日の天候は「曇時々雨」「降水確率60%」と何とも判断し難い状況のため、皆さまにおかれましては、雨が降る可能性も視野にいれつつ当日まで余念のない準備を進めて頂ければと思います。

では、本題の弥生賞一週前追い切りについて。

上述した2頭の前評判を整理すると、ワーケアはホープフルS3着の実績もさることながら、2年連続リーディング騎手の座を射止めた名手ルメールが新馬戦から連続騎乗しているハーツクライ産駒であり、言うまでもなく日本ダービーを視野にいれている実力馬。

一週前追い切りでは、チューリップ賞に出走予定のマルターズディオサ(阪神JF2着)を相手に美浦・南Wにて4F50.7と実戦さながらの併せ馬を消化。詳細は後述するとして、例年の弥生賞好走馬が当週追い切りは馬なりに留めている経緯を踏まえると、これだけの負荷をかけてきたことは、当然、勝ち負けを意識した仕上げと捉えるべき。

続いて、O.マーフィー騎手から、レジェンド武豊騎手に手替わりすることでも注目を集めるサトノフラッグ。

こちらも美浦・南Wで併せ馬を消化しており、単純な時計比べでいえばワーケアに劣る4F51.9という時計ではあるが、中山記念を制したダノンキングリーの一週前追い切りが4F51.4であったことを踏まえると、先々週は良馬場、先週は重馬場の馬場質の違いを考慮しても十分負荷をかけてきた内容と捉えるべき。

また、サトノフラッグのここ2戦のレース後コメントを見てもらえば分かるとおり、

<前々走>※ラジオNIKKEIより引用
1着 サトノフラッグ(O.マーフィー騎手)
「自分が今まで乗った中でもトップクラスの馬だと思います。調教からいい感触をつかんでいて、レースに行ったらもっと良かったです。まだ本気ではなく、遊びながら走っていました。能力がありますし距離も全く問題なく、将来について楽しみしかありません」
<前走>※ラジオNIKKEIより引用
1着 サトノフラッグ(O.マーフィー騎手)
「この馬は2000mより2400mの方がいいと感じています。距離が延びた方が間違いなくいいです。今日はスムーズな競馬で前走からの成長が見られました。目標はダービーになるだろうと思います」

滅多にお目に掛かれない期待十分の評価が実際に手綱をとったマーフィー騎手本人から発せられている。

これが、ルメールなら、ノーザン関係者や馬主に向けたリップサービスかなと、幾らか疑いの目を向けたくもなるのだが、いかにも生真面目そうなマーフィー騎手の発言と思うと、額面通りに受け取ってあながち間違いではない気がする。

詳細は後述するが、調教の走法を見ていて、いい意味で違和感を覚える馬というのは年々減ってきているが(知見が溜まってきている分)、そういう意味では久々に見ていてワクワクした1頭なのだ。

実際、なにを見てワクワクしたのかというポイントは是非この後の内容をチェックしておいてほしい。

とここまで持ち上げた中でいうのも、気が引けるが、実際問題馬券の話に終始すると、この2頭を、今回の条件だから(目標が先と分かっているから)打ち負かす馬を見出すことの方が予想者の醍醐味だったりする。

ちなみに、調教診断時は、極力、今回の距離やコース、展開面など考慮せず、あくまで陣営の意図を調教内容から汲み取ること、そして馬の状態面がどれほどのデキにあるのか、また、馬ごとの長所や短所といったキャラ(個性)を見定めることに注力している。

予想ファクターをごちゃまぜにする弊害は、あくまで私の場合だが、過度な先入観が働いてしまい、調教の内容以前に、今回は距離が長いや、中山コースは合わないといった余計なフィルターがかかってしまうのだ。

個人差があるので、人によってはある程度の先入観をもって調教を観る方が精度は高まるのかもしれないが、残念ながら、まだ私はその域には達していないため、上記のスタンスで調教診断しているという前提を晒しておきたい。

そんな私が人気馬2頭はさて置き、好調教馬の領域にあると判断した馬が2頭いる。ちなみに、この2頭はいわゆる調教時計の数字のマジックが利いており、今回の数字を額面通り受け取って評価してはいけない馬となる。

ここから先は、有料記事の範疇ではあるが、ワーケア、サトノフラッグの予習ももちろん兼ねた上で、今回の1週前追い切り映像から汲み取った診断結果にお付き合いいただければ幸いだ。

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