重賞展望

【チューリップ賞】今年のチューリップ賞もノーザンFの運動会となるのかの巻

ノーザンF天栄仕上げの破壊力を世に知らしめたルージュバック(美浦・大竹厩舎)が台頭した2015年の牝馬クラシック戦線。

当時のチューリップ賞はどんなレースだったかといえば、

1着ココロノアイ(酒井牧場)
2着アンドリエッテ(森永牧場)
3着レッツゴードンキ(清水牧場)

はい、軒並み日高の生産馬が上位独占。

1人気クルミナルは11着に沈み、ノーザンF生産馬で再先着を果たしたのは当時3人気のロカ(父ハービンジャー)の4着

こうした結果に終わったのも、勝ち時計1.37.7という数字が物語るとおり「重馬場」の影響である。

ノーザンF生産馬でクラシックに名乗りを上げてくるディープ産駒やキンカメ産駒。

彼ら彼女らが得意としているのは、上り33秒当たり前の高速馬場

パドック解説者なんかが口する「バネ感」を活かせるのは、バトミントンで例えるところ、ビンビンに張った細かな編み目のような芝目があってこそ。

雨水を存分に吸収し、ゆっる緩の芝目になってしまえば、反発力どころか、接地時に加わる力をそのまま吸収してしまうわけで、そりゃしんどい競馬になってしまうことは容易に想像できる。

しかし、競馬ファンとは不思議なもので、馬場が異なることもおそらく承知の上で、それでもノーザンFの一流馬を選んでしまう

過去に強い勝ち方をした。持ち時計が抜けている。理由はどうでもいい。

その時の馬場はどうだった?

そこから先のストーリーも容易に想像いただけるはずだ。

話を戻す。

詰まるところ、大衆の競馬ファンが思い描くイメージでオッズが動くのであれば、その原理を逆手にとるまで。

今年でいえば、良馬場濃厚。

状態面はひとまず横に置き、定石通りならノーザンF生産馬を軽視するタイミングではないことがお分かりいただけるはずだ。

では、実際のところマイルの持ち時計を見てみようではないか。

1.32.7 レシステンシア
1.32.9 クラヴァシュドール
1.33.5 マルターズディオサ
1.33.9 ウーマンズハート
1.33.9イズジョーノキセキ
1.34.0 スマイルカナ

なるほど。

今年の出走メンバーのうち1.34.0以上の時計をマークしたのはたったの6頭となるわけだ。

逆説的に捉えると、当日の馬場状態、馬のコンディション、過去に使った競馬場、展開などなど、1.34.0を下回った理由は腐るほどあるだろう。

そうではなく、現時点において、この6頭はそれなりの持ち時計を有しているということを、「人気に関わらず」頭の片隅に置いておけば良いのだ。

その上で重要なことは、今走に臨む上でのコンディション展開読みだ。

チューリップ賞最終追い切り診断でも触れたとおり、本番の桜花賞を見据えるなかで、レシステンシア陣営がここで逃げにこだわる理由が思いつかない。

そりゃ1着のほうが賞金もいいし、勝てるに越したことはないのだろうが、チューリップ賞と桜花賞を天秤にかければ、天下のノーザンF生産馬であり、馬主はノーザンFお抱えのキャロットF。

答えは桜花賞に決まっている。

岡田総帥率いるマイネル軍団の主戦的立場にある丹内騎手に、仮にも何がなんでもハナを譲るなという指令が出ていたとすれば、スマイルカナを発馬と同時にプッシュプッシュしている姿が目に浮かぶ。

実際、スマイルカナ自身ゲートのセンスは高く、二の脚も速い。

さすがに桜花賞では厳しいだろうに、チューリップ賞メイチで結果を求めてきても何ら不思議ない状況。

そこにきて、逆転の目を狙うクラヴァシュドールのデムーロ騎手がこの内枠をどう活かしてくるか

ゲートさえ決めてしまえば、この馬だってサリオス相手に詰め寄ったほどの実力馬だ。

わざわざ控えることもない、レシステンシアにプレッシャーを与えるいやらしいポジションにいるのではなかろうか。

そして、皆さんお待ちかね。

今週、事あるごとにべた褒めしてきたマルターズディオさが願ってもない13番枠

昨年はシゲルピンクダイヤが13番枠から2着しているように、ごちゃつく内目の有力馬を尻目に、脚をはかる競馬に徹してくれればいい。

ここは、田辺が色気を出して、早めにまくったりしないことを願う。

ましてや、外枠からわざわざ先行争いに顔を出す必要もない。

なぜなら、阪神JFでその競馬は試したから。

追いかけすぎると、やはり最後は苦しくなる。

それでも、クラヴァシュドールを差し替えして2着を死守しているように、良い勝負根性の持ち主でもある。

頼むぞ田辺。

モーリス相手に、果敢な先行策でロゴタイプを安田記念に導いたほどの男だ。

ここは、ひとつ冷静に、2着狙いの競馬に徹して、馬券圏内を死守してくれ。

さぁ、思いの丈を吐き出したところで結論へ。

結論
◎13.マルターズディオサ
〇1.クラヴァシュドール
▲4.レシステンシア
注9.イズジョーノキセキ
△10.スマイルカナ
△7.ウーマンズハート

買い方
単複
13

馬連
13-1.4.9.10.7

3連複フォーメーション
1頭目 13
2頭目 1.4.9
3頭目 1.4.9.10.7

レシステンシアの能力の高さは重々把握しているが、それは桜花賞でのお楽しみ。

2歳女王を打ち負かすニューヒロインの登場に期待したい。

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