「泡沫の人魚」主題歌
白く燃える太陽に 身を焦がしてこごえている
餌を探す猛禽が 遠く弧を描く
黒い砂が足を切り まどろむ空は あざ嗤う
水平線手を伸ばす 揺れる蜃気楼
陸の上で溺れる けものはひとり
潮騒満ちる音に 居場所を求め鳴いた
波打つ陸と海の 狭間を君は超えて
鱗も鰭も捨て去って 僕のもとへ来た
涙に濡れた頬に 震える指が寄り添う
ああ 水底の夢が 碧落に浮かぶ
あの日の声逆巻いて白昼夢をたださまよう
過去の破片飛び散って 傷を広げていく
ありふれたつながりは ガラスの向こう
掠れた声が刹那 虚空を舞って消えた
失くしたもの探して 足りないもの求めて
見えない嵐をもがいて 光を見たけど
差し出されたその手の 暖かさが怖かった
血を流す心臓は 暗闇に眠る
割れた鏡の 虚像に怯えて
大切なもの 傷つけていた
波打つ陸と海の 狭間を君は越えて
鱗も鰭も捨て去って 僕のもとへ来た
二度と戻りはしない 渚に足跡残し
いま 水面の人魚は 泡沫に消えた