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ルリドラゴンがよくわからない方へ

 ルリドラゴン面白くて一気読みしたただの素人です。


 漫画は嗜好品。
 自分が面白いものも、他の人にはつまらないと感じることもある。
 逆も然り。わかります。かくいう私は牛乳とゆで卵嫌いです。みんな大好き月見バーガーが食べられなくてかなしい季節がやってきました。そんなことは置いておいて。
 みんなが好きなものを食べられない私だけど、ルリドラゴンが好きなので少しでも同士を増やしたい!

 ジャンプ+のルリドラゴン応援コメントの中で、面白さがよくわからないというコメントを目にしたので、ただの素人が考えるルリドラゴンの面白さとコメント欄の中で疑問に思われている点を、私なりに解釈して記事にしてみました。
 この記事を読んで少しでもルリドラゴンに興味を持ってもらえたら嬉しいです!

まず、私が面白いと思う理由

 ①ドラゴンのツノ生えてるのに普通の学生生活してるのがシュールで面白い。
 ②絵が可愛くてほのぼのするし、食べてるシーンが可愛くてお腹すく。
 ③多様性の受け入れ方をリアルな会話とキャラの可愛さで読み易くしているバランスが良い。
 ④最近殺伐とした話の映画や漫画ばかり読んでいたので、ゆっくりとしたテンポが心地いい。

 謎の力を得た系といえば、怪獣8号やヒロアカ、古くは仮面ライダーや魔法少女ものも属されると思う。どれも大体戦闘ものが多いからこそ、ルリドラゴンのほのぼの具合が私は好きです。
 あとシュールなコントを見てる気分になるのも良い。そして今のところ汚い大人がいないのもいい!

Q.ドラゴン設定いらなくない?

 ドラゴンのツノというファンタジー要素で包んだ、他の人とは明らかに違う外見的設定はこの作品においてとても重要な物語の始まりです。どの時代も主人公にはクリアしなければいけない壁があり、この壁があるからこそ成長していきます。
 ドラゴンの娘というのはそこまで画期的な要素ではないけれど、世界観が現実の学園に限りなく近い。普通は人外魔境とか一般人キャラがいない世界観を選ばれがちなところを、学園群像劇としたのが異色で面白いと思います。

 もし、万が一、億が一でドラゴンのツノが生えたとしたら、あなたはどうしますか?しかも自活能力のない学生時代に。この平和な現代で、ドラゴンのツノが生えたとて、別に魔王がいるわけでもダンジョンがあるわけでもない。
 ただの素人が漫画ネタを考えるとしたら、ドラゴンのツノが生えたその子を謎の研究機関が誘拐してそこからアクション展開だとか、闇の組織と戦うだとか、同じ異形の特徴を持つものが現れて…的なお話になると思います。
 でも、ただの女子高生(面倒臭がり)が突然戦いできる肉体あるとは思えない、肉体があっても体の使い方ができるとは思えない。

 黒髪黒目がマジョリティの日本で外見が他の人と違うというのは、とても生きづらいです。子供の場合は、どうしても周りの理解と助けが必要になってきます。
 もしこれが、突然四肢欠損とか、髪色や目の色がアルビノで〜という現実にある外見的マイノリティにしてしまうと、いろいろな各所への対応が必要になるし、雰囲気が一層暗いものになってしまいかねない。そうすると読者層をさらに絞ってしまう。だからこそ、ファンタジー要素である必要があると思います。ちなみにガチリアルな差別問題の描写でいくとアニメ映画「聲の形」良作なんだけど、これはリアルすぎて…。でも一回はぜひ見てほしい。

 ルリは、だんだんと顕著になる攻撃的なドラゴン要素の一歩間違えれば、家族や友達を傷つけるかもしれないということを理解しています。火を吹いてクラスメイトの髪の毛燃やしちゃったらさすがに気づくよね。普通だったら燃えた!爆発した!といってもよくわかんないけど平気だった、とか素通りしちゃう描写をちゃんと描いてる。そこで読者はルリドラゴンの攻撃が周りにとって脅威だと理解できるシーンだと思います。ルリにとっても同じ。
 ルリの性格は本当は面倒臭がりだけれど、一緒に暮らすためには頑張って周りに理解してもらい自分が怖くないこと、みんなと一緒に暮らしていきたいという姿勢を見せているんだと思います。

 この作品は、ドラゴンの子供が本当に現代にいたらどうなるか?という展開で書いてくれているため、他のファンタジー作品と異なる点だと思います。期待はずれだと思う読者は異形の力を持った=バトルとか、冒険するような非現実的展開を期待していたから、裏切られたと感じたのかも。そういう作品は他にもいっぱいあるからぜひそちらでその期待を実らせてね。

 ここで一巻のルリドラゴン背表紙記載のあらすじを紹介。

高校生の青木ルリは、ある朝目覚めると突然頭にツノが生えていた!実は父親が龍だから遺伝かも?と母に言われたルリは戸惑いながらも、とりあえず学校へ…。見慣れないツノに興味津々なクラスメイト達に加えさらにもう一つのドラゴン体質が明らかに!?いつもの毎日にちょっとした異変ーーー。
ドラゴンガール・ルリの日常がゆるっと始まる。

ルリドラゴン(ジャンプコミックス)第1巻 より

 そう、日常がゆるっと。「ルリドラゴン」はほのぼの学園群像劇。アクションじゃないです。ファンタジーとリアルの差がシュールで、そこが私の思うこの作品の面白さの一つかな。あとルリドラゴンかわいい。(ここ重要)


Q.キャラの描き分けができていないよね?

 書き分けできていないというのは否定できない…なんでほぼ同じ身長、ほぼ全員ロリ丸顔なのっていうのは、私も初めはちょっと思ってました。
 でも韓国アイドルグループ初見で見たら全員同じ顔に見える現象と同じようなものということで。。愛着が湧けば意外とわかるものなんだよ〜!
 キャラクターの中身自体はそれぞれ性格をちゃんと作っているため、ストーリーをちゃんと追っていくとわかるようになります。あと、とりあえずツノ生えてれば主役のルリドラゴンです。ルリドラゴンかわいい。


Q.前田となんで突然仲良くなった?

 仲良くなったとは私は思いませんでした。2人は体育祭の委員になったから、仕事仲間としていっしょにいて会話をする。一般社会でも嫌いな相手だけれど仕事だからコミュニケーションを取ることってよくあると思う。

 学校という週五日無理矢理にでも通い続けないといけない環境で会ってるだけの2人の様子を見て、なんで仲良くなったと思ってるんだろう?と私は逆に思う。
 ルリの本当に仲の良い友達は放課後という自由な時間で勉強会してもらってたり、誰かが何をいうでもなく一緒にお昼ご飯を食べたりという何のきっかけもなく一緒にいるシーン。
 だけれど、前田さんといるのは、委員だとか、どうしても話しておきたいという用事があるから一緒にいるシーンばかり。
 一緒にいるから仲良しというのはちょっと違うんじゃないかなーと思う。よくいる友達グループで四人いるとして、その中でも仲良しの度合いは違うと思う。現実での友達って、そういう曖昧なところあるんじゃないかな。

 漫画はある程度誇張してキャラ設定することがあるけれど、ルリドラゴンはいろんなところで妙にリアルだから私は面白いと思う。あとルリドラゴンかわいい。


Q.よく知らないことを怖がるのは悪いこと?

 最新話第20話で一部がドン引きする所業をしているルリと前田さんに対して、よく知らないのにそんなことしたら危ないだろ引く〜とか、ツノ生えてたりする謎の人に対して怖がるのはそんなにいけない?というコメントが何件もあった。

 そう、よく知らないものって怖いよね。ホラー映画もよく知らない幽霊や理解できない怪奇現象だから怖い。それは当たり前だと思う。
 ルリと彼女を応援する周りはよく知らないツノ人間は怖いと思うから、周りの学生達にルリを知ってもらうためにあえて目立たせて知ってもらうきっかけを作ろうとしている。知らないから怖いんだから。それに知らないものが怖いっていうなら、ルリにとっても自分が朝起きたら突然ツノ生えてクラスメイト怪我させちゃうかもしれないって…怖いんじゃないのかな?ここでふと映画「シザーハンズ」を思い出した。よかったら見てみてね、良作です。

 よく知らないツノの扱いについても、知らないからこそ挑戦してみる。フグ毒を知りながらフグを食べた人みたいに。いや、もしかしたら母親とか周りの大人に聞けばわかったかもしれないけれど、龍の何を遺伝しているのか母親もわかっていないから知らないかもしれない。
 猪突猛進なところは学生特有の無鉄砲さかもしれないし、周りに脅威を無くそうとしてみましたという見せしめのようなものかもしれない。仕返しにしては怖すぎるってコメントあったけれど、ルリの目標は普通に生きるために頑張るだから違うと思うんだよなぁ。ここは私の期待です。違ってたらごめんやで。


まとめ

 ドラゴン設定は、読者をつかむフックと非現実感演出のために必要。
 絵の書き分けは、ツノが生えてればルリちゃんかわいい。
 前田さんとルリはただのクラスメイト(仕事仲間)だからふつう。

 以上が私の考える疑問へのまとめです。他にも自分はこう思った!とか、ここは違くない?とか色々あると思うけれど、こんなに一部の読者を熱くさせるルリドラゴンに私は出会えてよかったなと思います!

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