世界観を問う44問
MBTIを知ってから6~7年ほど経つ。私は主にtwitterのアカウントで、様々なユーザーの意見を聞いたり、自分なりの見解を述べたりしている。フォロー、フォロワーの関係から見て、MBTIのクラスタと言えるものがtwitter上に形成されていることにはあまり異論はないと思う(オフ会とかもあるし)。もちろん全てのMBTIユーザーがそこに集約されているわけではないだろうが、その周辺のユーザーの知見をざっと概観すると、心理機能の定義や各タイプのイメージ像にそれほど齟齬はないように思える。例えば、外向的感情は他人の気持ちを尊重し、内向的感覚はルーティンや健康に関わること、内向的直観は深淵な何かを感じ取っているらしい、ENTPは議論好きの悪魔的な人物、ISTPは一匹狼、などなど。解釈の一つ一つに、ただのネットミームに過ぎないとか、ステレオタイプで現実には存在しないとか、キャラクターとして誇張されているなどの批判はあると思う。それでも、大枠の部分では共通認識を保てているように思う。
MBTI及び心理機能は、学習のコストが低い割にはかなり納得感がある理論のように思う。対局の機能(外向的思考と内向的感情、外向的感覚と内向的直観など)が真逆の性質となっているのは直感的に納得できるところだろう。4つの指標×優劣の2分法で16タイプに分類し、それぞれの4文字が優位の指標を表すという記法も統一的で覚えやすい。
ただ心理機能には、ある個人が使用している機能の優劣をどう判断するのか?という問題がついてまわる。客観的に証明する手立てがないのだ。それが明確に実在するという根拠もない。心理機能の理論自体を懐疑的に見ようと思えばそう思えるし、(実際私は科学を専攻している人間から「心理機能は理論ではない」と言われたことがある)、盲目的に信じて「あっちの世界」へ旅立ってしまうことを防ぐためにも、そのような視点は必要だと思う。
ただ、客観的に証明できないとは言ったけど、主観的な判断というのは人の数ほどあるわけでもない。過半数の人間が「あの人はTeをよく使っている」と判断するのなら、それはタイピングの根拠として充分成立するのではないかと考えている。
しかし、私は今では、タイプ判定は何も心理機能からではなく、他の視点からでもできるのではないだろうか?と考えている。言い換えれば、心理機能以外に各タイプに共通する何かがあるのではないか?と考えている。
そう考えるようになったのは、これまでに出会ったユーザーとの意見交換に依るところが大きい。その中には、自分の価値観に劇的に変化をもたらした出会いや、知見があった。その知見とは、「どの書籍やサイトにも載っていない」ことだった。
その一例を挙げてみる。
納得できるだろうか?少なくとも私はこれに納得している。言われてみれば確かにEP系の多くはどこか大人びたような雰囲気があるように思えるし、対しIPは、というかどこか幼稚な人物に対しIxxPと当てはめてみると、多くの場合違和感なく型にフィットするように思える。もちろんそうは思わない人もいると思うし、そうではないケースもあるだろうが、合っている合っていない以前に、こういう見方があること自体にびっくりしたし、一体どういう観察眼を持っていればこういったことが見抜けるのか、と思った(タイプと精神年齢の相関はどこにも書かれてない!)。
ただ、そういった知見に触れて、私もそういう見方をしようと思った。本やインターネットから情報収集("情報"と表現することに非常に違和感があるが)しているだけでは、絶対に見抜けない特徴がある。そう思うようになった。
意見交換したユーザーの中にENTPがいたが、そのENTPはこう言っていた。
私は今では、タイプの特徴は、この人生をどう生きるか、という哲学、思想、正解のない問いにどう答えを出すのか、そういったところにタイプごとの類似性が見られると考えている。それらをあぶり出すような設問を44問用意してみた。漠然とした問い(例えば「あなたにとって幸せとは何ですか?」など)は、答えるのにちょっとした小論文を書く程度に労力がかかって億劫になってしまうと思う。できるだけ答えやすいよう具体的に、取っ掛かりを付けて、一問を一つのテーマに則って圧縮させ、適度にクローズドクエスチョンの形にしたつもりだ。中には心理機能の特性から逆算して作ったのではないかと思う設問もあるかもしれないが、基本的に心理機能は意識せずに作った。何となく生きているだけでは答えること自体が難しいかもしれないが、全部に答える必要はないし、ただ読んでもらうだけでも構わない。問いに答えることで、なにか新しい発見があればよいと思う。
まあ色々書いたが、単純に楽しんでもらえれば幸いである。
問1.<科学>
科学に何を期待しますか?あるいは、何も期待しませんか?科学によって人類が発展したり謎が解明されることを望みますか?もしくは、科学の進歩が人類に不幸をもたらすだろうと考えますか?
問2.<年齢>
何かを始める時、何かをやめる時、人と人が友愛を築く時、同盟を結ぶ時、人が人に指示をする時、人が人を師と仰ぐ時、人が人を蔑む時に、年齢はどれほど関係すると考えますか?あるいは、関係しないと考えますか?
問3.<故郷・出自>
生まれ故郷を捨て去ることにためらいはありますか?愛国心や地元愛といった感覚は持っているでしょうか。また、その人の出自(○○生まれ、××育ちなど)を何かの判断材料にすることはありますか?
問4.<定量的な評価>
統計やテストの点数、知能検査のスコアなど、数値による評価は信頼足り得るものだと思いますか?また、そういった数的感覚には長けている方ですか?
問5.<マネーウォーズ>
今後食べるに困らないだけの大金を手に入れた場合、それを元手に何か挑戦しようと思いますか?それとも悠々自適に余生を過ごしますか?また、投資や株などのマネーゲームに関心はありますか?
問6.<目が醒めているとき>
目が醒めているとき、意識は常にハッキリしていますか?「気が付いたら○○していた」とか「何をしようとしたか忘れた」ということはありますか?或いは、白昼夢を見たりしますか?
問7.<四季>
季節の移り変わりに楽しみや美しさや情緒を感じたりしますか?
問8.<殺意>
到底自分が納得できるものではない理不尽な理由で、ある人物から侵襲的な行為を受けた時、その人物を殺したらいいと考えたりしますか?
問9.<縁起や神事>
良い意味でも悪い意味で信じているジンクスはありますか?また、先行きが見えない展開になったとき、願掛けや神頼み、占いをしたりしますか?
問10.<趣味>
活力が湧くほどの趣味を持っていますか?持っていないとしたら、欲しいと思いますか?或いは、無趣味でも問題ないと思いますか?
問11.<嘘>
自覚的に嘘をつくことはありますか?あるとしたらそれはどのような理由、どのような状況で嘘をつきますか?
問12.<謙虚であること>
あなたは謙虚ですか?謙虚であることは必要でしょうか?
問13.<ファッション>
寒さをしのいだり、局部を隠したり、社会的な記号(制服)としての役割以上の意味がファッションにはあると思いますか?違う表現で言えば、装飾を施したファッションをしますか?平たく言えば、お洒落をしますか?するとすればそれは何故ですか?
問14.<性愛>
恋愛対象としている性を崇めたりしますか?また、その性から何らかの施しを受けることによって、自分が抱えている問題が解決することを期待していたりしますか?
※性的志向をヘテロとして、男性だったら「女性は素晴らしい!」という考えを持ってるか、女性だったら「白馬の王子様が~」みたいな考えがあるか。 恋愛にロマンスを求めるか、その相手の性を特別なものとして見ているか、そう言い換えてもいいです(複数の方からわからないと言われたので補足)。
問15.<意見形成>
例えば「宇宙人は存在するか?」というテーマのディベートにおいて、たとえあなたが強く宇宙人の存在を信じる立場であったとしても、存在しない立場に立って意見を形成することはできますか?
問16.<サバイバル>
公的機関の援助を受けたり貨幣でアウトソーシングするのではなしに、自力で生存を獲得する術を持っていますか?狩りをしたり野菜を育てたり、安寧の宿を確保することなど。野生の世界で生きていく自信はありますか?
問17.<夢(睡眠時)>
眠っているときに見る夢に何か特別なメッセージがあると思いますか?
問18.<暴力・猟奇的な表現>
殴る蹴るなどの暴力や拷問、出産や流血、内臓が露わになるなどのシーンを観ることで気分が悪くなったりしますか?或いは逆に興味があったり、興奮を覚える方ですか?
問19.<歴史改変>
現在、或いは未来のために、過去に起こった出来事をなかったことにしたり、修正を加えるのは許されることだと思いますか?
問20.<個人と集団>
個人プレイとチームプレイ、自分がより輝くのはどちらの方ですか?また、全体論における「ある系全体はそれの部分の算術的総和以上のものである」という考えには首肯しますか?
問21.<食事>
食事に生命活動の維持以上の意味を見出していますか?例えば、それを一つ飲むだけで空腹も栄養も満たせる完全栄養食のカプセルが発明された場合、今後の人生はそれを飲み続けるだけでいいと考えますか?
問22.<他人に期待すること>
他人に期待はした方がいいと思いますか?それともしない方がいいと思いますか?
問23.<教育1>
スパルタ方式は実を結ぶ教育だと思いますか?
問24.<教育2>
飛びぬけた学力や才能を持った生徒がいた場合、学校側はその生徒に特別な措置を取るべきでしょうか?それとも足並みを揃えるのが大事と一律的な教育を受けさせるべきでしょうか?
問25.<婚約>
人生におけるイベントとして、結婚はごく当たり前のことだと受け入れていますか?また、結婚における一夫一婦制は番いの形として理想的でしょうか?
問26.<知識と認知>
知識によって世界の捉え方は変わると思いますか?例えば植物や魚の名前、歴史的経緯、その作品が生まれるまでのバックボーン、作者の経歴など。
問27.<学習>
自分が正しいと信じていた手法が通用しないと悟ったとき、柔軟に考えを変えることができますか?それとも訂正せず愚直に進むことの方が多いですか?
問28.<革命>
世の中に革命を起こしたいと思いますか?或いは、誰かが革命を起こすことを期待していますか?それとも、今の世の中には満足していますか?
問29.<快楽>
酒池肉林とも言うべき快楽の海に溺れたいと思うことはありますか?快楽とどう折り合いをつけていますか?
(本来、酒池肉林に肉欲の意味は含まれていないようですが、ここでは含めています)
問30.<読書>
読書に何を求めていますか?本を読んで得られるものとはなんでしょうか?また、本を読むことと実際に体験することとではどちらにリソースを割きますか?
問31.<誰も知らないわたし>
寂しさであっても承認欲や自己顕示欲であっても、もっと私を見てほしい、という気持ちはありますか?
問32.<機械>
機械や兵器、ロボットにロマンを感じますか?機械の扱いは得意でしょうか?また、自分のことを機械の様な人間だと思ったりしますか?例えば、人間の応答より機械の電磁的なシグナルの方が信頼できると考えたりしますか?
問33.<意味・解釈>
一意に定められ、解釈の余地が生まれない表現は好きですか?もしくは、「どう受け取るかは鑑賞者の自由」と受け手側の想像力に委ねたり、起承転結がないような、意味を空中に放棄したような荒唐無稽な表現の方が好きですか?
問34.<グローバリズム>
地球というスケールで物事を考えたりすることはありますか?
問35.<命の平等さ>
イヌの死骸とヘビの死骸とサカナの死骸とゴキブリの死骸とニワトリの死骸とヒトの死骸にあなたは区別をつけますか?
問36.<相性>
MBTIの様な人間を類型するツールが、例えばマッチングアプリにおいて相性のいい相手を効率よく探すために使われることに対しては肯定的ですか?否定的ですか?また、MBTIのタイプとは無関係に、人間と人間の関係性に相性というものは存在すると思いますか?
問37.<人間で非ざるもの・ヒューマニズム>
あなたは人間のフリをしていることがありますか?
問38.<勝負>
勝負の際は貪欲に勝利を欲する方ですか?そうではなく、自ら望んで敗北を選んだりしますか?また、勝つか負けるか分からない勝負に挑むことはできますか?また、戦う相手は自分と自分以外のどちらの方が多いですか?
問39.<政治>
投票には行っていますか?行っていませんか?それぞれの理由は何でしょうか。また、行くべきだと思いますか?行かなくてもよいと思いますか?
問40.<死>
死ぬこと以上に恐れているものはありますか?また、観念的な死に囚われたりしますか?
問41.<倫理>
人にやってはいけないことなどないと思いますか?
問42.<繁殖・遺伝子の継承>
仮にあなたの代であなたの家系が途絶えることになったとき、そのことに後ろめたさはありますか?
問43.<運命・越えられない壁>
運命に対して前向きですか?後ろ向きですか?それとも、運命などないと考えますか?越えられない壁などありませんか?
問44.<正解>
普遍的なただ一つだけの正解を求めていますか?それとも、そうではありませんか?
以上です。