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「xに代入する」という作業ってよくよく考えると混乱するのかもしれない

 たまに中学生に数学を教える機会があるのだが、この秋のシーズンは「関数」を学ぶ頃合いだ。中学校1年生なら「比例」、中学校2年生なら「一次関数」、中学校3年生なら「y=ax^2」だ。大人になって教えるようになってからは「なんだこんなもんか」という感じなのだが、当時の自分もよくわかってなかったきがする。というか当時は勉強してなかった。
 さて、この「関数」の問題を解くにあたって必要な作業に「代入」というものがある。「y=」で始まる任意の式に与えられた数を置き代える作業だ。例えば...

(1)yはxに比例し、x=3のときy=6です。
このとき、yをxの式で表そう

Try ITより

 解説は上記の動画が詳しいので、態々ここで僕が解説する必要はない。ただ、この問題を解く過程で「y=ax」という式に「x=3」と「y=6」を代入するという作業をしなければならない。さて...

そう「代入」とは、「文字の代わりに数字を入れる」ことなんだ。

Try ITより

 なんでもあるなTry IT...すごい...。代入とは文字を数字に置き代えるというものなので、さっきの「y=ax」は「6=3a」になる、のだが、これが中々苦戦する。なぜ苦戦するのかを考えてみたところ、二つの可能性に辿り着いた。
 一つ目は、「2つのことをいっぺんにやろうとする」からじゃなかろうかということ。出来る人にとっては「代入」という一つの作業なのだが、出来ない人にとっては「xを数字にする」「yを数字にする」という2つの作業になる。それを一度に要求されているから大変だろう。
 二つ目は、「全体の作業工程が見えていない」んじゃないかということ。出来る人は「これはaの値を求める問題だから、aを求めるためにxとyに数を代入して計算すればいい」という、帰納法的に必要な作業を整理することが出来る。しかし出来ない人は「このx=3とy=6ってなんなの?」というところで止まってしまう。それらが何をするための道具なのかがわからない。
 だから数学という科目はとても論理的思考が必要になるのだ。計算が出来るか出来ないかという科目ではない。答えを導くために必要な工程を論理的に整理した上で、それを実践する道具として計算があるに過ぎないと思う。
 ただ、教える現場の人間からすれば、わかっててもそれを教える時間がないというものだろう。算数や数学の時間だけで論理的思考を養うのは無理があるよなあ...でもじゃあどうしたらいいんだろうなあ...。

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