スタンダードを歌うこと
18歳の時に初めて歌ったスタンダードは、謎めいて黒々としていた。ビリー・ホリデイとマル・ウォルドロン。
大学のジャズ研で出会った先輩は、アメリカ帰りで、カウント・ベイシー推し。スウィングについて、そしてブルースについて本場のお話。
たくさんの名盤を聴きまくって、やっぱりエラ、サラ、カーメンかと思った。
すぐにフュージョンの嵐が来て、16ビートやレゲエなど。
でも何故かフローラに心酔。好きに理屈はないし、何が好きと言って、サイドメンたちだった。ボーカリストの在り方であれ以上はない。今もその憧れを追っている。あんな風に音楽をやりたい。
私の4枚のアルバムで、最も評価の良いLove Songsは、高校生の頃の私が相対化できなかったスタンダードソングの私なりの価値を、埋葬したもの。
私は今も、遠慮なく高みを目指す音の中で、浮遊していたいのだし。
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