食卓に注目する
お恥ずかしい話ですが、僕はインスタント食品が大好きで、日に一度は袋に入ったインスタントラーメンをずるずると啜っている有様だ。
そうなったのは、子供の頃に両親が共働きで帰宅が遅く、夕食まで空腹を紛らわせるために台所に隠してあった乾麺などを勝手に茹でて啜っていたからで、そのせいか今では、麺類を日に一度は啜らないとダメな生き物になってしまった。
五十歳を過ぎても未だに、こんな体に悪い食の権化みたいな僕が、将来の食の問題について、何か講釈を垂れるのは、甚だおかしなことかもしれないが、それでも自分の興味や知識の中から、何かできることがあるならと、自分の食卓や、スーパーや、外食の場を見渡すことがある。
ここ数年間、個人的に熱いのがヴィーガン系の食品で、近所のスーパーで定期的にチェックして、代替肉のような食品を購入して実食してみたりしていた。
現状では、食感や味に関しては、初めて食べたグルテンミートのソーセージよりも、遥かに食べられるようにはなってきたと思うが、実際の精肉由来の加工食品(ハンバーグだとか)と比較すると、まだまだ肉汁のようなシズル感のある食感に乏しい。
ただ、誰かが食べて評価して、改善が進まないことには、一つの新しい食の可能性が失われてしまうように思える。
かなり昔の話になるが、アニマルライツ活動家が、焼肉の様子をSNSに投稿しているユーザーに対して、動物の死体の写真を送り付けるようなことがあった。
彼らは非ヴィーガンの人々に対して肉食をやめよと叫び続けるが、彼らの食卓の写真を覗けば、かつて親しんでいた肉食を菜食で模倣したようなメニューを数多く見かけることができた。
菜食中心の生活を志したとしても、サラダばかりを食べ続けるのは難しく、やはり肉食のようなメニューを希求してしまうという矛盾が垣間見られるのは、個人的にとても興味深かった。
ヴィーガン系の食品が今より進化して、価格もリーズナブルなものに収まることができ、さらに精肉由来の食品と遜色のないレベルに達成したら、様々な人がそれらを取り入れることができ、畜産の需要が徐々に減り、環境への負荷も少なくなるかもしれない。
今の時点では、プラントベースのハンバーグは、SNSで話題にしたとしても、本当にただの「話のネタ」で終わってしまう。
ただ、粘り強く語ることで、いつか誰かに認知されると信じている。
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