「UNO」のペナルティで気づいた兄弟ゲンカの元

赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。

寝る前のルーチン

我が家には、小5長男、小2次男、5歳長女の3人の子どもがいます。

2か月ほど、5歳長女が「UNO」のカードゲームにはまっており、布団の上で「UNO」をしてから眠るのが、ルーチンになっています。

5歳長女との「UNO」タイムは、ほのぼのしています。
でも、小5長男、小2次男が参戦してくると、そうはいかないのです。

負けると、5歳長女はふくれて泣くし、小2次男はすねるし、小5長男はもう一回!とせがみます。

とにかく、やっかいなのが、小5長男の小2次男への言動です。

「UNO」は、次の人に、カードを引かせるドローカードが出せるので、小5長男は、小2次男の隣に座わって、ゲームをはじめます。

そして、ドローカードを出すとき「くらえ!イェーイ!」と、次男に言います。

これがトラブルの元なので、隣同士にならないようにすると、「はい、逃げ行為」とか言うのです。

小5長男が一番に勝つと、自分のおしりをぺんぺんしながら、「勝った!勝った!」と小躍り、小2次男に「ザコいね」とか言います。

そのたびに、小5長男は怒られます。

小2次男も、体当たりして、やめて!と対抗しますが、結局、さらに泣かされます。それで、また小5長男は怒られます。

ペナルティ導入

ほのぼの「UNO」タイムが、「怒り」タイムになってしまうので、「相手が嫌だと感じる言動」をしたら、ペナルティで「手持ちカードを2枚、増やす」ことにしました。

予想通りペナルティで、小5長男は、何回も、手持ちカードを2枚ずつ増やしていきました。

ところが、小2次男もペナルティで、何回も、手持ちカードを2枚ずつ増やすのです。

あれ?

小5長男の言動ばかりが気になり、怒っていましたが、あれ?あれ?
小2次男も、ちょいちょい、相手を刺激する言動をとっている??

そうだったんです。

ペナルティで「相手が嫌だと感じる言動回数」を見える化したら、小5長男も、小2次男も、「どっちもどっち」だと気づいたのです。

小2次男に「あなたも、けっこう、言ってるね(*'▽')」とツッコむと、

「そうだね。トントンだね」と小2次男が、笑います。

「そうだろ~。結構、小2次男もやってるんだよ」と小5長男。

兄弟ゲンカの原因は、上の子が満たされていないことが多い


以前、『「それ、言われると悲しいから、言わないで」小2次男の言葉』に、赤羽雄二さんがメッセージをくれました。

Facebookグループのやりとり

振り返ってみると、親子のクオリティタイムも、
小5長男:小2次男:5歳長女=3:4:3 くらい。

「UNO」のペナルティでも気づいたように、ついつい、小2次男を優先したり、かばいがちだったのです。

そこで、思いっきり、小5長男と1対1の時間を意識してみました。

最初は、

「小2次男や5歳長女が、話したがっているし、おれは別に話さなくていいから」

と、小5長男。

でも、

小2次男や5歳長女が、近くにまとわりついていて、小5長男には、遠くから声をかけがちだったと気づき、あえて近づいて、優しく声をかけてみる。

肩をちょっとトントンして呼びかけたり、「ただいま~」と帰ってきたときに、「おかえり~」の声かけにプラスして、いったん彼に目を向ける。寒い外から帰宅して、真っ赤なほっぺたをちょっと触って「外、寒かったみたいだね。頬っぺた、冷たいね」などと、言葉以外にもさりげなく、スキンシップをする。

数秒、手を休め、間を作り出すと、小5長男と1対1の糸口がみえて、自然と、親子のクオリティタイムがとれるようになってきました。

これが、効果テキメンなのです。

次男が、「明日、Switchのケース貸してくれる?」と長男に聞くと、
「ヤダなんて言わないよ!貸してあげるよ!」と快諾するのです。

次男が、「このポケモンカードちょうだい」と長男に言うと、
「あ、いいよ。他にもあるし。あ、これもあげるよ」と言い出すのです。

いつもなら、何か交換条件を出したり、「他のものを使えばいいじゃん」と貸し渋ったり、「なんでタダであげなきゃいけないんだよ」とか言うのに...。

もちろん、兄弟ゲンカがゼロになるわけではないけれど、小5長男が優しい気持ちになると、兄弟に優しくなるのは明らかです。

親の記憶

我が子とのやりとりで、子ども時代の記憶がよみがえることがあります。

***

家族で夕食を囲んでいるとき、座椅子に座った父親が、わたしを呼んで、あぐらの上に座らせてくれました。

目の前には、子どもたちにはない、父親だけのお酒のつまみは並べられています。マグロのお刺身、イカの丸焼きが目に入り、手づかみでぺろっとつまみぐいすると、

「食べたきゃ、ぜんぶ、食べていいぞ~」

「かわいいなぁ」

「目に入れても痛くないっていうのは、こういうことを言うんだな」

頬ずりしながら、そう言う父に「デロデロで、やんなっちゃうわね」と笑う母親。「ヒゲが痛いからやめて~」と言いつつも、ずっと、膝の上に座っていた私。

年齢が上がるにつれて、膝の上に座るのが恥ずかしくなって、だんだんと断るようになったっけ。

何歳のできごとかわからないけど、そんな両親の言葉や表情や感触は、覚えています。

***

大人になった我が子たちが、ふと思い出す子どもの頃の記憶。
眉間にシワを寄せてイライラして怒りつける母では、あまりに残念です。

子ども一人ひとりと1対1でアクティブリスニングして、怒られるからやめるではなく、自然と優しくしくなれる心を育みたいです。

親にされて嫌だったことの記憶

先日、外科医のあらた先生が、ZOOM開催されたワークショップに参加しました。

ワークショップ内のグループワークで、参加者3名とシェアした「親にされて本当は嫌だったこと」に共通点がありました。

「兄弟で、扱いが違ったこと」

私も含め3人とも、子持ちの母親でした。
母親になっても、その記憶が残っていたんです。

嫌だったはずなのに、親になったら、なんとなく、我が子にやっちゃってるんですよね。

ビートたけしの母


明治大学教授 北野大さん

 僕が高校から帰ってくると、おふくろが駅にいる。「おまえが帰ってくるのを待っていたんだよ。おなかすいていないかい?」
 近くのすし屋に連れていき、握りずしを注文してくれる。自分は食べない。そして「おまえだけだよ。あんちゃん、武に言っちゃいけないよ」と言うんです。
 「兄弟の中で自分だけ特別に目をかけられている、頑張らなくちゃ」と思いました。ずっと後になって、「実は、兄にも弟にも同じことをしていた」とおふくろから聞かされました。

『書くことが思いつかない人のための文章教室』 著:近藤勝重



こんな風に、うまいことしながら、子どもたちと過ごせたら、きっと誰にも奪えない、あたたかなものが心に残るはず。

苦しくつらい子育てから抜け出し、家庭を安全基地にしたい方へ、情報を更新しています。

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