話を聞くための「いい質問」って何だろう
赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。
ジャーナリストの池上彰さんが口にする「いい質問ですね~」。
これを聞くとなんだか、笑っちゃいます。それを言われて、喜ぶ共演者の反応も面白いです。
今回は、「いい質問」について、書いてみたいと思います。
委縮させない質問
アクティブリスニングのステップ②に、「相手を委縮させないようにしながら、質問する」が出てきます。
質問が、相手を委縮させるって、考えたことありますか?
質問は、わからないことをより正しく、深く、理解するためにするもので、前向き・積極的・意欲的といったプラスのイメージを持っていたので、「委縮」という表現が、アンテナにひっかかりました。
でもよく考えてみると、委縮とまでいかなくても、質問って、話し手に多かれ、少なかれ影響を与えます。
例えば、「お正月休みに、キャンプしたんだ」という第一声に対して、
「え、冬にキャンプって寒くない?」と質問したとします。
この質問には、
「冬にキャンプなんて、寒くて嫌だな」とか、
「なんで、寒い時期に、キャンプなんてするんだろう」という、
質問者さんの評価や価値観が、話し手に伝わります。
そうすると、
話し手は、「あ、冬のキャンプの楽しさを伝えたかったけど、ネガティブにとらえているな」と感じ、話すのをやめたり、別の会話をしようかなと考えたりします。
こんな風に他愛もない質問でも、話し手は、聞き手の「質問」によって、話すことを、変えたり、選んだりします。
でも、「お正月休みに、キャンプしたんだ」に対して、
「へぇ~。キャンプ?」と質問したとします。
これはシンプルな質問ですが、質問者さんの評価や価値観は入っていない、相手の話したい「キャンプ」についてのオープン質問(※)です。
※オープン質問は、さまざまな回答に制限を設けず自由に答えてもらう質問のこと。これに対して、クローズド質問は、YES/NOなど回答が限定される質問のこと。
単純な質問ですが、話し手は、キャンプについて話したかったことを、委縮せずに話すことができます。
だからアクティブリスングでは、相手を委縮させない「質問」が、話を聞くための「いい質問」になります。
深堀質問
先月参加した、赤羽雄二さんのリアルセミナー「効果的なコミュニケーション」で、赤羽雄二さんが、参加者からの質問にこんな風に答えていました。
質問をすると、あなたの説明はわかりにくというメッセージになる
これ、思い当たることありました。
職場の上司に相談をしている途中で、質問されると、
「あ、それは、これから説明しようと思っていたけど、先に伝えなかったから、わかりにくかったかな?」とか、
「あ、その説明が先に必要だったけど、うまく話せなかったな」
と感じるなぁって。上司の質問によって、私は、「委縮」させられていたんですね。
この回答をする前に、赤羽雄二さんは、いくつか質問をしていました。
その同僚の年齢、学歴、性別、社歴
これは、二人の関係性をきちんと把握して、状況を客観的に見て、問題の本質を見極めるための質問です。
この質問で、「話し手と聞き手のどちらのパワーバランスが、強いのか?」を把握できます。
相手の話を「全部聞き」、本質をつかむために、「深堀質問」も必要になります。深堀質問に関する具体的な事例は、赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で、紹介されていますので、ぜひ、お読みくださいね。
私が考える「いい質問」
「話したいこと」が話せたり、「つい、話しちゃう」質問も、「いい質問」だと思っています。
「話したいこと」は、相手の話をよく話を聞かないとわかりません。
だから、アクティブリスニングのステップ1に、徹底的に、真剣に聞いて、相手に信頼される(余計なことを考えない があります。
ある方が、こんな話をしていました。
いかがでしょうか。
これは、「いい質問」だと思いますか?
実は、オープン質問で、子どもの話を全部聞けるように見えますが、「話したいこと」が話せたり、「つい、話しちゃう」質問かの基準に照らし合わせると、「いい質問」とは言えません。
なぜなら、「今日、学校どうだった?」という質問は、学校の様子に限定された、かつ、親が知りたいことを聞いている質問だからです。
子どもが学校で困ったことはなかったか、ちゃんと勉強についていけているか、といった親の不安を払拭するための質問だったりするのです。
これでは、「話したいこと」を話せたり、「つい、話しちゃう」にはなりません。
じゃ、どうすればいいのか?
基本は、「子どもが、なにか言うまで、黙って待つ」です。
だって、話を聞かないと、何を話したいかはわからないので、質問もできないからです。
でも、じっと待ってても、何も話さない。
学校の様子も気になるし、、、。
そんなとき私は、
普段、子どもが、楽しそうに話をしていること、好きなことにフォーカスしたクローズド質問をします。
我が家の小5長男であれば、
給食おかわりした話を嬉しそうによくしていることや、体育のある日は、体育の授業を楽しみに登校しているので、これを踏まえて、「クローズド質問」で、話題をふったりします。
例えば、
「今日も、給食、おかわりしたの?」とか、
「今日の体育も、マット運動だったの?」とか。
こんな風に、単純に答えられる「クローズド質問」で、そのあとの返事が比較的、明るい話題が続きやすい質問を、すっと会話にはさみます。
「今日も、給食、おわかりしたの?」
→「うん。今日は、タンドリーチキンで、家では出てこない味付けでなんか美味しかったんだよ。でも、苦手って人もいて、残っていたから、今日もおかわりしたよ!給食が残ると困るから先生、喜んでた」
「今日の体育も、マット運動だったの?」
→「今日から、なわとびになった。連続二重とびが、どんどんできるようになってきた。今から、外でやるから、ちょっとみてよ」とか。
こんな風に、簡単に答えられる、かつ、子どもが楽しんでいそうなことを質問することで、会話の糸口がつかめたりします。
こういった質問は、子どもが楽しいと思っていることを自然話せる質問になります。
楽しいことを話していると、ついつい、別のことも、ペロッと話します。そうしたら、アドバイスも評価もせず、徹底して「ぜーんぶ、聞く」のです。親にとっては、都合が悪く、聞きたくない話も、ぜーんぶです。
「いい質問」には、こちらが聞きたいことではなく、相手が話しやすい質問という、相手目線が必要です。
池上彰さんにとっての「いい質問」
あるインタビュー記事に、こんなことが書かれていました。
質問は、大切な人と信頼関係を築くためにするものです。
相手の無知を指摘するようないじわるな質問や詰問は、人間関係を壊します。
「いい質問」とは、相手の話したいことを話せるようにする、かつ、話し手も聞き手にとって、学びや変化につながることがポイントのようです。
こんな「いい質問」ができるように、なっていきたいです。
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