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質問回答:「共感して聞く」と「話を聞いて、怒ったり、喜んだりする」の違い

赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。

インフルエンザの大流行の波に、子どもや私が飲み込まれ、我が家はカオス状態。高熱・頭痛・吐き気に見舞われ、毎朝5:30~のClubhouse『親子のクオリティタイム』も、連日、参加できずにおりました。
それでも、運営メンバーがルームを開催してくれ、ルームは通常運転。
何かを継続するのには、仲間は必須!と、しみじみ思う今日この頃です。

さて今回は、前回のブログに寄せられた質問にお答えしてみます。

▶前回のブログはこちら

ブログに寄せられた質問

小学3年生の息子が、小学2年生の終わりから小学3年生の夏休みがあけた現在も、不登校の状態が続いています。

ブログを読み、息子が小学2年生の頃、「足を踏んでくるクラスの子に困っている」という話を聞いたときに、思わず「それは、ひどい」と反射的に口にしてしまったことを思い出しました。それっきり、息子は詳しい話をしませんでした。何があったのか、聞きたいけれど、あまり言わないのです。

アクティブリスニングで、しっかり共感してあげていれば、その先の気持ちも、本人は話すことができたんですよね。

でも、やっぱり黙っていられない。
どんな理由があるとしても、私は「足を踏むなんて!」と言いたい。
子ども(自分が)悪かったのかな、僕、足を踏まれるようなことしたかな、といった自責の念を無意識に考えて欲しくない。
といった親の心配があって、瞬時に「あなたは悪くない。そういう行為をする相手がひどいよ」って言いたい。

アクティブリスニングをするようになって、親の想像も超える思いもしない切り口の考えを聞かせてくれたり、色々なことに向き合っていると思えるようなってきてはいるものの、リアクションをとらないことに我慢しているところがあります。

回答

可愛いわが子の足を踏むなんて、「ひどい」ですね。
私も、「足を踏むなんて、ひどい」と思います。

ただ、アクティブリスニングは、そういった親の価値観や感想を伝える前に、全部、子どもの考えや思いを聞くのが第一ステップです。

足を踏まれた子どもの思いは、聞いてみないとわかりません。仮に、子どもが「痛い」「悲しい」「嫌だ」「ムカつく」「なんだコイツ!」と思っていたら、あなたの「ひどい」という思いと、子どもの思いとはズレています。

アクティブリスニングをすると、このズレにたくさん気づけます。

今回、息子さんは「困っている」と話をしています。

だから「足を踏まれるって困るね」とか、「えー、足、踏んでくる子がいるのぉー?」とか、本人が語る言葉をそのままをキャッチして、ボールを返します。アクティブリスニングは、相談文にあるように「リアクションをとらずに我慢する」わけではありません。

ただ、自分の考えはいったん脇におき、目の前の子どもの話に心を寄せます

ほんとうの困りごとは、足を踏まれることではないかも知れません。
もしかしたら、「足を踏まれた」と言っただけで、過度に反応する親を見て、これ以上話をしたら、心配かけちゃうかな…など、話す内容をセーブするかも知れません。

だから、子どもが安心して全部、はき出せるように、子どもが話したいだけ、話せる分だけ話し切れるように、余計な一言は言わずに、そばにいるんです。

ほんとうに伝えたいことは、子どもの第一声の次に出てくることが多いです。

話を全部聞けると、問題の本質が見えてきて、解決の糸口が見えてきます。話を全部聞いてもらって、事実や気持ちを聞いてもらえた子どもは、安心します。この安心感だけが、人を動かします

いくら親に、「足を踏むなんてひどい。あなたは悪くない」と言われても、子どもの思いは、変わりません。

自分の全部をありのまま受け入れてもらえる安心感から、自然と、自分は悪くないと感じるものです。

相談文に、「黙っていられない」と書かれていますが、親が何かを伝えるよりも、全部、子どもの話を聞いて、親が子どもの安全基地でいることが大切です。

子どもの話を全部、聞いたあとに、「お母さん、どう思う?」と聞かれたら、「お母さんは、足を踏む子がひどいと思うし、話を聞かせてもらって、あなたは何も悪くないと感じたよ」と伝えれば、いいのです。

全部、話を聞く前に親の思いを伝えても、何もわかっていないのに、、、となり、励ましの言葉も、親の思いの押し付けになります。

足を踏まれて感じることは、人それぞれ

ちょうど我が家にも、相談者と同じ小学3年生の息子がいるので、「お友だちに足を踏まれたら、どう感じる?」と質問してみました。

小3次男:「え?足を踏まれるなんて、日常茶飯事だよ。1日に2回以上は踏まれるね」

わたし:「えー!1日に2回以上も、足踏まれるの?」

小3次男:「うん、友だちと色々やっていると、足を踏まれることなんて、珍しいことじゃないから、気にならない。だって、殴ってくる子だっているんだよ」

わたし:「え?殴ってくる子がいるの?」

小3次男:「うん。気に入らないことがあると、手が出る子がいるんだよ。後ろから、羽交い絞めにして、『やめろー!』って、言うけど」

小3次男:「だから、足を踏まれるくらい、どうってことないね」

わたし:「そうなんだぁ」

足を踏まれることは、どうってことないと、感じる子もいるのですね。

表面上の言葉に振り回されない

「足を踏まれる」という出来事は、それを経験した人々によって異なる感情を引き起こします。一部の子はそれを無視し、気にしないかもしれません。しかし、他の子はそれを深刻に受け止め、感じる苦痛があります。その違いは、個人の経験や心の状態によって、とらえ方は様々です。

アクティブリスニングをすると、そのとらえ方の違いを知ることができます。

自分とは、別人格の子どもが何を感じ、考えているのかからスタートするので、親の不安や過剰な介入によって、子どもを不安にさせずに済みます。

親がリラックスし、子どもの話を注意深く聞くことは、子どもにとって非常に重要です。子どもが自分の思いや感情を表現できる環境が整うと、子どもは安心します。安心している子どもの姿は、親の安心にもつながります。

親が子どもにアクティブリスニングができると、この良い循環を促進できます。子どもの話に耳を傾け、共感し、理解することは、子どもの信頼を築く手段です。このアクティブリスニングの醍醐味は、子どもの心と信頼を深める、行動変革の第一歩です。

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