質問回答:「共感して聞く」と「話を聞いて、怒ったり、喜んだりする」の違い
赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。
インフルエンザの大流行の波に、子どもや私が飲み込まれ、我が家はカオス状態。高熱・頭痛・吐き気に見舞われ、毎朝5:30~のClubhouse『親子のクオリティタイム』も、連日、参加できずにおりました。
それでも、運営メンバーがルームを開催してくれ、ルームは通常運転。
何かを継続するのには、仲間は必須!と、しみじみ思う今日この頃です。
さて今回は、前回のブログに寄せられた質問にお答えしてみます。
▶前回のブログはこちら
ブログに寄せられた質問
回答
可愛いわが子の足を踏むなんて、「ひどい」ですね。
私も、「足を踏むなんて、ひどい」と思います。
ただ、アクティブリスニングは、そういった親の価値観や感想を伝える前に、全部、子どもの考えや思いを聞くのが第一ステップです。
足を踏まれた子どもの思いは、聞いてみないとわかりません。仮に、子どもが「痛い」「悲しい」「嫌だ」「ムカつく」「なんだコイツ!」と思っていたら、あなたの「ひどい」という思いと、子どもの思いとはズレています。
アクティブリスニングをすると、このズレにたくさん気づけます。
今回、息子さんは「困っている」と話をしています。
だから「足を踏まれるって困るね」とか、「えー、足、踏んでくる子がいるのぉー?」とか、本人が語る言葉をそのままをキャッチして、ボールを返します。アクティブリスニングは、相談文にあるように「リアクションをとらずに我慢する」わけではありません。
ただ、自分の考えはいったん脇におき、目の前の子どもの話に心を寄せます。
ほんとうの困りごとは、足を踏まれることではないかも知れません。
もしかしたら、「足を踏まれた」と言っただけで、過度に反応する親を見て、これ以上話をしたら、心配かけちゃうかな…など、話す内容をセーブするかも知れません。
だから、子どもが安心して全部、はき出せるように、子どもが話したいだけ、話せる分だけ話し切れるように、余計な一言は言わずに、そばにいるんです。
ほんとうに伝えたいことは、子どもの第一声の次に出てくることが多いです。
話を全部聞けると、問題の本質が見えてきて、解決の糸口が見えてきます。話を全部聞いてもらって、事実や気持ちを聞いてもらえた子どもは、安心します。この安心感だけが、人を動かします。
いくら親に、「足を踏むなんてひどい。あなたは悪くない」と言われても、子どもの思いは、変わりません。
自分の全部をありのまま受け入れてもらえる安心感から、自然と、自分は悪くないと感じるものです。
相談文に、「黙っていられない」と書かれていますが、親が何かを伝えるよりも、全部、子どもの話を聞いて、親が子どもの安全基地でいることが大切です。
子どもの話を全部、聞いたあとに、「お母さん、どう思う?」と聞かれたら、「お母さんは、足を踏む子がひどいと思うし、話を聞かせてもらって、あなたは何も悪くないと感じたよ」と伝えれば、いいのです。
全部、話を聞く前に親の思いを伝えても、何もわかっていないのに、、、となり、励ましの言葉も、親の思いの押し付けになります。
足を踏まれて感じることは、人それぞれ
ちょうど我が家にも、相談者と同じ小学3年生の息子がいるので、「お友だちに足を踏まれたら、どう感じる?」と質問してみました。
小3次男:「え?足を踏まれるなんて、日常茶飯事だよ。1日に2回以上は踏まれるね」
わたし:「えー!1日に2回以上も、足踏まれるの?」
小3次男:「うん、友だちと色々やっていると、足を踏まれることなんて、珍しいことじゃないから、気にならない。だって、殴ってくる子だっているんだよ」
わたし:「え?殴ってくる子がいるの?」
小3次男:「うん。気に入らないことがあると、手が出る子がいるんだよ。後ろから、羽交い絞めにして、『やめろー!』って、言うけど」
小3次男:「だから、足を踏まれるくらい、どうってことないね」
わたし:「そうなんだぁ」
足を踏まれることは、どうってことないと、感じる子もいるのですね。
表面上の言葉に振り回されない
「足を踏まれる」という出来事は、それを経験した人々によって異なる感情を引き起こします。一部の子はそれを無視し、気にしないかもしれません。しかし、他の子はそれを深刻に受け止め、感じる苦痛があります。その違いは、個人の経験や心の状態によって、とらえ方は様々です。
アクティブリスニングをすると、そのとらえ方の違いを知ることができます。
自分とは、別人格の子どもが何を感じ、考えているのかからスタートするので、親の不安や過剰な介入によって、子どもを不安にさせずに済みます。
親がリラックスし、子どもの話を注意深く聞くことは、子どもにとって非常に重要です。子どもが自分の思いや感情を表現できる環境が整うと、子どもは安心します。安心している子どもの姿は、親の安心にもつながります。
親が子どもにアクティブリスニングができると、この良い循環を促進できます。子どもの話に耳を傾け、共感し、理解することは、子どもの信頼を築く手段です。このアクティブリスニングの醍醐味は、子どもの心と信頼を深める、行動変革の第一歩です。
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