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子どもに「声かけ」したくなる理由 5歳児クラスの保護者会での気づき

赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれている
アクティブリスニングを実践中の畑中です。

「高校生の娘が、朝に『お腹が痛い』と言い出すと、学校に行くのか、行かないのかが心配で、ガミガミ言ってしまう」というママさんの話を聞いて、気持ちは痛いほどわかりました。

そんなときこそ、一番の解決の近道は「アクティブリスニング」。わかっちゃいるけど、そんなときほど「アクティブリスニング」が難しい。だから、パニックにならないように、A4メモ書き(VoicyInstagram)で不安を紙に書き出し、心を整えている今日このごろです。

今回は、「5歳児クラスの保護者会」で、気づいたことを書いてみます。

5歳児クラスの保護者会

先日、保育園で5歳児クラスの保護者会がありました。各家庭1名、お父さんかお母さんが参加し、19名の保護者が集まりました。

保育園の先生が、園での1年間のイベントや生活の様子をスライドで紹介してくださったあと、保護者一人ひとりが、「この一年で、子どもの成長を感じたこと」を一言ずつ、発表しました。

■集中力があり、電車が大好き。電車好きが高じて、駅→駅名→漢字とどんどん興味が広がっていって、知っていることがどんどん増えている

■園の様子を、少し話してくれるようになった

■お友だちの影響で、「自転車に乗りたい」と言い出し、乗れるようになった

■お友だちが、文字を読んだり、漢字も書いていると聞くのに、うちの子は、まだぜんぜんできなかったけど、お友だちからいい刺激をもらって、興味を持ち始めた

など、できるようになったことを、話していました。

一方で、

■「保育園で、〇〇したかったけど、できなかった」と家で話をするから、「ここで(家で)言っても仕方ないんだよ。そのとき(保育園で)、言わないとだめだよ」と伝えて、言えるように声かけしている

■広い公園に遊びに行っても、できるのにアスレチックは「怖い」と言って、やりたがらない。できるなら、やればいいのにやらない態度にイライラして、「やってごらん」と声をかけている

など、お話される方もいました。

「子どもの成長」をテーマにお話ししても、それぞれの視点がありますね。

ちなみに私は、

「昨日、小5長男がおかしのゴミを散らかしていたので、「ちゃんとゴミぐらい捨てなさい!」と怒っていたら、5歳長女に「お母さん、怒らないでも、やさしく言えば伝わるよ。『ゴミ、捨ててね』って。そう言ったら、私が変わりに、捨ててあげるから」というエピソードをお話し、みなさん、笑っていました。

保育園の先生は、一通り保護者の話を聞き終わると、

「子どもの話は、ぜーんぶ、聞いてあげてください」
「お子さんは、話を聞いてもらえることがわかると、安心します」

とおっしゃっていました。

やはり、まずは「ぜーんぶ、聞く」なんです。

子どもへの声かけ

お子さんのエピソードに出てきたお父さん、お母さんの「声かけ」に、親の思いを感じました。

■「保育園で、〇〇したかったけど、できなくて嫌だった」と家で話をするから、「ここで(家で)で言っても仕方ないんだよ。そのとき(保育園で)、言わないとだめだよ」と伝えて、言えるように声かけしている

→【親の思い】
これからも同じような「嫌な思いをしないように」、子どもが、その時に自分で解決できる力を身に付けてほしい。

■広い公園に遊びに行っても、できるのにアスレチックは「怖い」と言って、やりたがらない。できるなら、やればいいのにやらない態度にイライラして、「やってごらん」と声をかけている

→【親の思い】
せっかく広い公園に連れてきてあげたんだから、遊具で存分に遊んでほしい。どんどん積極的にチャレンジしてほしい。

でも、子どもは、

「保育園で、〇〇したかったけど、できなくて嫌だった」と家で話をするから、「ここで(家で)いっても仕方ないんだよ。そのとき(保育園で)、言わないとだめだよ」と伝えて、言えるように声かけしている

→【子どもの思い】
保育園での嫌な思いを、お母さんにわかってほしい。思い通りにいかなったり、思い通りにできなかった悔しさや残念さを伝えたい。

■広い公園に遊びに行っても、できるのにジャングルジムは「怖い」と言って、やりたがらない。できるなら、やればいいのにやらない態度にイライラして、「やってごらん」と声をかけている

→【子どもの思い】
広い公園にくると、慣れない遊具ばかりで、怖い。いつもの公園で慣れた遊具で遊びたい。なんで、怖いものをわざわざやらないといけないんだよ。

そんな気持ちでいるのかも知れません。
ここに書いた【子どもの思い】は、あくまで、子どもが話した言葉からの想像で、もしかしたら「もう、保育園に行きたくない」と思っているかも知れないし、「僕は、運動が苦手なんだよ」と思っているかも知れません。

何を伝えたいのかは、子どもの話を「ぜーんぶ、聞く」をしないとわかりません。

子どもは、自分の気持ちを「ぜーんぶ、聞いてもらう」前に、親に「声かけ」されると、自分の気持ちは放置されたまま、親の思いばかりを聞かされている状態です。

気をつけていないと、子どもの話を聞いているようで、子どもに伝えたいこと言っているだけになりがちです。

子どもの話を聞くときは、子どもが話したいこと、伝えたいことは何かを聞きます。あとで、報告書にまとめられるくらいに。

ビジネスマンであれば、上司への報告は、「事実」と「意見」を分けて伝えますよね。それと同じです。まずは、「事実」を把握するために、いったん「意見」は脇におき、「ぜーんぶ、聞く」です。

なぜ、声かけしたくなるのか?

親の思いの裏側には、育児への不安や困りごとがあり、声をかけたくなります。

■「保育園で、〇〇したかったけど、できなくて嫌だった」と家で話をするから、「ここで(家で)言っても仕方ないんだよ。そのとき(保育園で)、言わないとだめだよ」と伝えて、言えるように声かけしている

→【育児へ不安や困りごと】
嫌なことあったときに、気持ちをちゃんと伝えられないと、この先、集団生活で、うまくやっていけないのでは?

■広い公園に遊びに行っても、できるのにアスレチックは「怖い」と言って、やりたがらない。できるなら、やればいいのにやらない態度にイライラして、「やってごらん」と声をかけている

→【育児への不安や困りごと】
引っ込み思案で、自分から取り組む意欲や気持ちがないと、指示待ち人間になって、充実した人生を送れないのではないか?

子どものためを思っての「声かけ」は、親の育児への不安や困りごとを解消して、「自分が安心したい」という思いを、子どもにぶつけていたりするのです。

でも、

不安をぶつけられた子どもは、安心してすくすくのびやかに過ごせるわけもありません。

だから、親は、この育児への不安や困っていることに気づいて、親の問題として解決しておく必要があります。

そして、育児の不安や困りごとを解決する近道は、まずは、「子どもの話をぜーんぶ聞く」なんです。

家庭で、親に、ぜーんぶ自分の気持ちや考えを聞いてもらえれば、子どもは、自然と伝え方も学べますし、伝えても大丈夫!ちゃんと自分の話は聞いてもらえるだけの価値があるものだと実感できます。この実感があれば、外でも、自分の気持ちや考えを適切に話せるようなります。

「怖い」とか「やりたくない」という気持ちを、家庭で、ただ聞いてもらうだけで、「そのままの自分でいいんだ」と自然と思えるようになります。「そのままの自分で大丈夫」という感覚があれば、自然と何かにチャレンジし出したり、意欲が湧き出すのです。

インナーチャイルドとインナーペアレント

以前、心理カウンセラーの野口さんが、「情緒的見捨てられ体験」について、お話をされていました。

自己肯定感を高める方法に「自己受容」があります。
「自己受容」は、自己肯定感を高めます。
「自己受容」は、ありのままの自分(Being)を受け止めることです。

自分の中に、色々なことを感じる自分がいます。
「自己受容」とは、インナーチャイルド(自分の感じる気持ち・見つめられる自分)をインナーペアレント(自分の感じる気持ちを聞く親・見つめる自分)が受容することです。

心理学では、子どもの頃に傷ついた自分が心の中に生きていて、「悲しい」「寂しい」というメッセージをインナーチャイルドが送っていると考えます。
そのメッセージをインナーペアレントが、「悲しいんだね」「怖いんだね」と受け止めるのが、自己受容です。

そのときに、インナーぺアーレントが、「泣いていないで、くよくよしないで」と手厳しかったり、「ポジティブでいようよ」と叱咤激励すると、インナーペアレントは、自分の気持ちを聞いてもらえないので、癒されません。それが非受容な状態で、実際に、子育てでも同様の場面は多くあります。

これは、「情緒的見捨てられ体験」と言います。

野口嘉則さん(心理カウンセラー)と武田双雲さんのインスタライブでの対談

「情緒的見捨てられ体験」をさせないように、まずは、「ぜーんぶ、聞く」で、いきましょう。

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