心理学の知見:誰かの役に立っていると感じると、頑張れる
誰かの役に立っていると思うと、モチベーションが湧いてきます。
この考え方を実際に使い、パフォーマンスが2倍以上になったのが次の事例です。
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ミシガン大学のアダムグラントらは、寄付金を集める大学のコールセンターを調査をした。
コールセンターのマネージャーは、あるグループのオペレーターたちを呼び、ミーティングを10分行った。
まず、寄付金のサポートを受けたある奨学生ウィルからの手紙を5分読んでもらった。その手紙には、いかに寄付金が自分の人生を変えてくれたかがつづられていた。
次に、オペレーターに実際にウィルに5分間会ってもらい、会話をした。
オペレーターのパフォーマンスを調べたところ、通話している時間は2.4倍!増え、寄付金の額は2.7倍!に増えた。
このミーティングに参加していなかったオペレーターたちのパフォーマンスに変化はなかった。
誰かの役に立っていると実感するとモチベーションがあがり、仕事のパフォーマンスが上がった。
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お見事ですね。
オペレーターのスキルは変わっていなければ、仕事の中身や給料、そして環境も何も変わっていない。
では何が変わったのか。
オペレーターに、「あなたのやっていることは役にたっているのですよ」と仕事の意味に気づいてもらったわけです。それも10分です。
人や環境は変えるのには時間がかかります。ところが、一瞬で変化が起きるのが意味づけです。ここに大きな可能性を感じています。
Grant, A. M., Campbell, E. M., Chen, G., Cottone, K., Lapedis, D., & Lee, K. (2007). Impact and the art of motivation maintenance: The effects of contact with beneficiaries on persistence behavior. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 103(1), 53–67.