経営学の知見:変革型リーダーのダークサイド
ビジョンを示し、メンバーをやる気を引き上げ、変革をすすめていくリーダーを変革型リーダーと呼び、今求められているリーダーといわれています。
ところが、このスタイルの最大の欠点は、リーダー自身が燃え尽きてしまうこと。最近の研究で指摘されました。
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Massachusetts Amherst大学のLinらの研究グループは、様々な業種から上司と部下の130人のペアを6週間にわたり調査をした。また、次に79人の上司と217人の部下を6週間にわたって調査をした。
変革型リーダーは、徐々に疲弊をしていき、結果的に、職場を離れる意向が高まることが分かった。
さらに、メンバーが誠実でなくて、能力が低いときには、リーダーの疲弊感がとくに高まることが分かった。
誠実性と能力が低いメンバーは、リーダーの出すビジョンに共感しにくく、やる気も高まりにくいため、リーダーの疲弊感が高まりやすいことが分かった。
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リーダーの疲弊の上に成り立つリーダーシップスタイルは長続きしないですよね。変革がうまくいかない理由のひとつかもしれませんね。
変革型リーダーシップは、多くの人にとって、自然なスタイルでないのかもしれません。 #サステイナブルなリーダーシップを考えたい
変革型リーダーのみなさん、休息とご自身のケアを忘れずに。
Lin, S.-H. (Joanna), Scott, B. A., & Matta, F. K. (2018). The Dark Side of Transformational Leader Behaviors for Leaders Themselves: A Conservation of Resources Perspective. Academy of Management Journal, 62(5), 1556–1582. https://doi.org/10.5465/amj.2016.1255