大きい本は愉しい
コロナ禍での、「小さな幸せ」「小さな愉しみ」を紹介するシリーズです。最近図書館では、もっぱら大きい本(図鑑や写真集)を借りている。大きい本を読む愉しさに気がついたので、オススメしたいと思います。
2000年くらいから持っている書籍の電子化(自炊なんて言われていましたね)をしたり、基本的に電子で買えるものは、電子で買っている。それでも本は増え続けているが、少なくとも子どもの頃持っていた図鑑など、収納スペースをムダに取る本はだいぶ処分している。つまり大きい本が家にないし、読んでもいない。
きっかけは、図書館でなんとなく手に取った図鑑だった。見開きA3くらいのスペースというのは、情報量としては凄まじく、そのページだけでわかることが多い。そのうえ、図鑑はテキストや図版の配置が明確にデザインされており(あたりまえなんだけど、リフロー型の表示に慣れ過ぎていると気がつかない)、これはつまりページをめくって思索を巡らせる行動のデザインがされているという事だ。
寝る前に図鑑を広げて、ゆっくり1ページ1ページ眺めるのがとても心地よい。もてなしを受けている感じ。結局いくつかの図鑑を買ってしまった。
以下のシリーズは、分野によって当たり外れがあるけど、紙面のデザインや、並べてある順番など意識しながら読むと、作り手の気持ちがわかって楽しい。これだけの情報量のコンテンツをまとめるのは、並大抵ではない。
さらに最近ハマっているのは、この心理学の本。1400ページくらいある。マイケル・アイゼンク教授が、1人の視点から心理学の成り立ちから多様性をもった細かな分野に関して記述している。それぞれのコンテンツとして読んでもよいし、編纂している「流れ」を楽しむのもよい。つまり、心理学の事であればなんでも書いてあるし、それが心理学の中のどんな「流れ」の中にあるのかもわかる。しかも語り口調が一貫している。独学にはこういう要素が必要だと思う。
デカくて厚い本というは、めちゃくちゃな情報量をうまく一つの媒体に理解しやすいデザインで配置するという離れ業を成し遂げている。レガシーの技術とノウハウすごい。
なかなか、見たこともない大型本をいきなり購入するのは賭なので、図書館などで手に取ってから判断するとよいと思う。
寝る前にしっかりデザインされた大型本を1ページつづ、ゆっくり読むことは、大変贅沢な体験だと思う。みなさんにもオススメしたい。
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