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できるデザイナーの仕事術

このnoteでは発注を受けてから仕事に取り組むまでの流れを、できるデザイナーはどのように進めていくのかについて解説していきます。

新人デザイナーやこれから企業に入社して仕事をしていくデザイナーにおすすめの内容です。

プロのデザイナーならできて当たり前のことですが、できていないデザイナーも多い。デザイナーが仕事を見つめ直すきっかけになればなぁと思います。


1.デザイナーの仕事の流れ

まず仕事の発注を受けて最初にのぞむのがオリエンテーションです。
俗にいう『オリエン』です。

学校でもオリエンテーションはあるので、そんなイメージを持つ方もいるかも知れません。

デザイナーにおけるオリエンは仕事の内容を具体的に聞きとっていくことです。

オリエンの中でも重要なことが『与件(よけん)』といって「仕事を進めるにあたり守らなければいけない条件」があります。

与件の内容は大体以下のような感じです。

・予算
・仕様
・目標

上記の他にもクライアントによって仕事の与件は変わってきます。

例えば僕が昔受けたBリーグ(バスケットボールリーグ)のポスターでは京都で使うポスターだったので色の制限を受けました。

京都では街中にポスターを貼る際には、厳しい景観条例(うつくしいまちを保つための条例)をクリアしなければいけません。

明る過ぎる色はダメだったので、結局黒でいこうとなったのですが今度は黒過ぎてダメだとなりました。

そんな感じでデザイナーには守らなければいけない条件を守って、制限の中でデザインをしていくのが普通です。

うまいデザイナーはこの与件を逆に利用していいデザインを生み出したりするので、デザイナーの腕の見せ所でもあります。


2.オリエンでデザイナーが考えるべきこと

さきほど与件について話しましたが、与件の裏には必ず理由があります。

先ほど説明したBリーグのポスターで説明すると

条件:色の制限
理由:京都の街中で使いたいから景観条例を守らなければいけない

といったように条件の裏にある理由をデザイナーは考えなければいけません。上記のようにわかりやすければ良いですがクライアントの意図や希望が毎回伝えてもらえるわけではありません。

ですので与件を聞き取る中でクライアントに与えられた条件を鵜呑みにするのではなく、裏にあるクライアントの理由をなるべく確かめていく必要があります。

例えばA4サイズ、8ページの冊子を作ってください。という仕事がきたとします。

その時に「なぜA4サイズなのでしょうか?」と聞いてみましょう。

・予算的にA4がいい
・カバンにいれて持ち帰りやすいように
・A4ラックが常設しているので流通を考えて
・これまでがA4だったので

などA4サイズというだけでも色々な理由が考えられます。

カバンに入れて持ち帰りやすいようにという理由だとしたら、A5サイズの方が女性用のカバンには入りやすいです。とこちらから提案することができるかもしれません。


3.デザイナーの最初の仕事

デザイナーの最初の仕事は、与件の整理です。
与件の情報を整理して裏にある理由を考えていきます。

クライアントが本当に求めている部分と、たいして重要ではない部分に仕分けていきます。
そこでクライアントの真の狙いが分かればデザインは成功に近づきます。

クライアント側もデザイナーに理由を聞かれることで、自分にとって重要なことを再認識することができます。

デザイナーがクライアントにヒアリングすることによってお互いの考えをすり合わせ考えの整理が進みます。その中で矛盾する与件に気づくこともあります。

オリエンはデザイナーにとっても重要なことで、ただぼぉ〜っと話を聞くだけでは勿体無い。

オリエンにはデザインのヒントが隠れていることも多いので、しっかりヒアリングすることが重要です。


4.できるデザイナーの仕事の進め方

今まで説明してきたように与件にはデザインのヒントが詰まっています。

印刷の予算が決まってるなら、色数を減らして2色でデザインするといったようにデザインを考えるきっかけを与えてくれます。

できるデザイナーは与件の裏の理由を聞き出し、それを起点にデザインを組み立てることに慣れています。

そういう考えができるようになれば、どんなデザインでも成功に導くことができるデザイナーになれると思います。

ぜひオリエンの機会があれば、このnoteを思い出して与件の裏にある理由を探ってデザインの起点にしてみてください。


以上ができるデザイナーの仕事術でした。

このnoteでは「たのしごとデザイン論」よりいくつか引用しました。
良い本なのでおすすめです⬇︎

5.まとめ

・できるデザイナーはオリエンの際に必ず与件の裏を探る
・オリエンで話を聞くだけにはしない
・与件の裏にある理由を考えてデザインに活かす



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