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ボウイングを科学する 後編 #慣性の法則の話

昨日書きましたボウイングを科学するが好評でしたので
急遽、アレは前編だったという事にして今日は後編です。

ボウイングは初動と発音後では必要なエネルギー量が違うという話でした。
エネルギー量の違う原因として静止摩擦係数と動摩擦係数の話をしましたが
もうひとつ要因が有る事を思い出しました。それは慣性の法則です。
静止しているものは静止し続けようとするし
動き出したものは動き続けようとする物理現象です。
弓も同じですよね。初動では弓は静止し続けようとするので
動かすのにチカラが必要です。
しかし動き出した後は動き続けようとするので
必要とするチカラは少なくなります。
弓を同じ速度で全弓使おうとしても同じチカラではダメなんですね。

更に慣性の法則は質量の大きさに比例して強く作用します。
重い物ほど動かしにくく止めにくい訳です。
コレは弦振動にも当てはまります。
ヴィオラのC線やヴァイオリンのG線は太いので質量が大きいですよね。
ヴィオラのA線やヴァイオリンのE線は細いので質量が小さいですよね。
つまり弦によって必要なチカラを変えないと
同じ音量で移弦フレーズは弾けないという事になります。

ボウイングの動作の中には色々な物理現象が起きているんですね。

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