【譜読みの罠】非効率とわかっていてもやっている事
私は月に1~3本の演奏会の本番が有るので
常に譜読みをしていないと追いつきません。
1本の演奏会で交響曲2曲+オペラの序曲ぐらいなのでかなりの量です。
効率的に練習しないと時間が足りません。
交響曲では譜読みをせずに初見で乗り切れるような
音の少ないゆっくりした所も割と有り
キッチリ譜読みをしないと弾けないような難所は各楽章につき
16小節フレーズが2箇所ぐらいではないでしょうか。
効率を追求するのであればこの難所だけを取り出して
集中して練習するのが効率的でしょう。でも私はそれをやりません。
難所の取り出しは別でやってアタマからラストまでは必ず通します。
交響曲だとこの通し練習だけで1時間は使ってしまいます。
子供の頃に習っていた時代に厳しかった師匠は
アタマから弾き出して少しでもつっかえた時は
アタマからやり直しをさせました。
ノーミスになるまで曲の最後まで辿り着くことは出来ません。
つっかえた所を集中的に直した方が効率的でしょう。
でもそれをせずアタマからラストまでノーミスで弾き切る事に
とことん拘っていらっしゃいました。
私も非効率な事はわかっているのですが
もうこの方法が身についてしまっていまして
なかなか効率化に舵が切れません。
ただこの非効率な練習方法には意味は有りまして
簡単に弾ける部分は省略してしまうと
曲全体の流れ、ストーリー性は理解できないのです。
難所を涼しい顔でスラスラ弾けるだけの人になってしまうのです。
コレでは音楽とは言えないんですよね。
それにアタマからラストまでノーミスで弾き切る緊張感に耐えきる
集中力も養えないのです。
非効率とわかっていても私はアタマからラストまで必ず通して練習します。
そして効率的な練習には譜読みの罠が有るのです。
簡単な部分を省略し、理解しないままでいると
本番で一回も間違えた事が無い様な簡単な場所で突然ミスり
弾けなくなる事が有るのです。弾き切る集中力が足らないのです。
どうしても時間が無い時に、緩徐楽章の譜読みをサボったりすると
合奏練習では普通に弾けてたのに本番でやらかしがちなのです。
この非効率な練習法の最大の弱点は曲のクオリティが
アタマの方が高くなり、ラストに行くに従って下がる事です。
練習する回数がアタマの方が圧倒的に多くなってしまうので
出だしは仕上がりが良いのにラストに向け甘い仕上がりになりがちです。
交響曲だと第1楽章の仕上がりと第4楽章の仕上がりで
どうしても差が出てしまうんですよね。
練習に使える時間は限りが有り無尽蔵には無いので仕方ないのですが・・・