ヴァイオリンのE線の話 【前編】
ヴァイオリンはE線にだけ特殊事情があります。
どんな弦の選択をしたとしてもE線だけはスチール弦です。
ガット弦でセットを組もうが、ナイロン弦でセットを組もうが
E線だけは絶対にスチール弦なのです。ここポイントです。
スチール弦は伸び要素があまりないのでペグを少し回しただけでも
急激に音程変化します。ペグだけでのチューニングが難しくなります。
そこでアジャスターを付ける訳ですがアジャスター形状によって
E線にはループエンドとボールエンド問題がついて回ります。
ヒル型と言われる小型のアジャスターにはループエンド弦しか付きません。
L型と言われる大型のアジャスターにはボールエンドです。
ループエンドもなんとか付きますが、ボールエンドが想定された設計です。
アジャスターに関しては以前に書いていますのでご参考ください。
E線を買う時はループエンドかボールエンドを選択しますが
ココを間違えて弦が張れないという事が起こります。
またボールエンド、ループエンド共用弦というものが増えています。
Thomastik-Infeld社の弦はほとんどそうです。
共用弦というのはボールの付け外しをしてボールエンド、ループエンドを
切り替えて使うわけですが、私はこのボールの付け外しが非常に苦手です。
私は極度に手先が不器用なのです。
ほとんどの弦が初期状態がボールエンドなので私はL型アジャスターです。
ただ困った事にPeter Infeldという弦は初期状態がループエンドです。
ボールを付けるのは外すより難しいので私には無理ゲーです。
しかたなくL型アジャスターにループエンドで引っ掛けて使います。
ただループエンドは切れやすいので個人的には安全第一で
ボールエンドを選択したいのです。
ヒル型アジャスターは小型軽量ですしループエンドは金属球が無く軽いので
音への影響が少ないループエンド弦を選択される方は多いのですが
私は音質より弦切れトラブル回避の方が優先順位高いんですよね。
ステージ上で弦が切れるのってホント地獄ですから。