実はコスパ最強のメンテナンス 駒の話
ヴァイオリンやヴィオラ等の弦楽器で構造上
振動を一手に引き受けているのは駒です。
実は駒に音に対する影響度はとんでもなく高いのです。
私も経験があるのですが駒交換を行うと
弦交換や毛替えよりも、かなり大きく音色が変わります。
また最近の弦は高価なので弦交換より値段は安かったりします。
駒に取り付けるミュートを例に取ると実感しやすいと思います。
トルテミュートがわかりやすいですが
駒に数グラムのゴム片を付けるだけで音色も音量も
激変する事は容易に体感できますよね。
駒を厚くすると音色はコモり気味になり音量も落ち着きます。
では軽ければ音量も上がり音色も明るくなる!と思いがちですが
軽くするには駒を薄くしなくてはならないので
強度的に問題がでますよね。反りや曲がりも起きやすくなります。
駒の世界は奥が深いのです。
また駒の高さは弾きやすさにとても大きな影響があります。
駒が低いと指板に弦が触れてしまいノイズが混ざりますし
駒が高いと押さえるのに深く押さえ込まなくてはならないので
とても弾きにくいのです。
駒を調整することで弾きやすさが劇的に改善される事があります。
ちなみに私はかつて音量が有り音色も明るい楽器を使っていたのですが
少し色気に欠く楽器だったのでネック下がりの応急処理も兼ね
駒を厚いものに交換し高さを下げました。効果はてきめんでした。
ヴァイオリンやヴィオラ等の弦楽器って
肩当てや顎当てや弦に数万円掛けたりしたりしますよね。
駒交換って実はかなりコストパフォーマンスの良いメンテナンスなのです。