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オーボエとコールアングレの話

オーケストラにはオーボエという木管楽器が登場します。
オーボエは管楽器の中では異端の存在と言えるかもしれません。
音域は2オクターブ半でフルートやクラリネットに比べて狭めです。
フルートとクラリネットの中間に挟まれて居ますが
とても目立つ音色なので埋もれる事は無いです。
フルートは倍音が極めて少ない楽器であり
クラリネットも比較的倍音が少ない太い音色の楽器ですが
オーボエはアタック感が強く倍音も多いので鋭く硬い音色で
雑味が多いせいか妙に素朴で郷愁を誘う音色なので
ソロ楽器としてオーケストラではかなり主役となる場面の多い楽器です。
またオーボエとフルートは移調で記譜されずinCの楽器です。

ビゼー交響曲第1番の第2楽章はほぼ前篇オーボエのソロと言った感じで
もはやオーボエ協奏曲というレベル。

さてこのオーボエに対して5度音域を下げた楽器がコールアングレです。
コチラも音域が下がった分、鋭さは減り太い音色になりますが
郷愁感は更に増している特徴のある音色の楽器です。

シベリウスのカレリア組曲第2曲でコールアングレの長いソロがあります。
郷愁の極みといったところでしょうか。

ところでこのコールアングレという楽器は専門奏者が吹くというよりも
オーボエ奏者が持ち替えで吹く事が多い楽器です。
記譜方法としてはinAの移調で書かれているのでオーボエと同じ読み方と
同じ運指で5度低い音が出てる感じです。

オーボエとコールアングレの関係性って
5度の関係で両方演奏する人が多いという意味では
ヴァイオリンとヴィオラに似てますよね。
音色の棲み分けも比較的似ています。
ヴィオラの場合は記譜方法がハ音記号というのが大きな特徴で
ここに大きなハードルはありますが
なんでヴィオラはハ音記号のアルト記号が採用されたんでしょうかね?
コントラバスはヘ音記号の1オクターブ移調記譜なので
弦楽器に全く移調記譜が採用されていない訳では有りませんが
もしト音記号のinAでの移調記譜をしていたとしたら
ヴィオラはもっと弾きやすい楽器だったんでしょうか?
移調の記譜はピアノ出身で絶対音感の持ち主だと脳がバグると言われますが
ヴィオラが移調でないにしてもメゾソプラノ記号で記譜されていれば
見た目の音符配置と運指はヴァイオリンと一致するので
持ち替え演奏はしやすかったと思います。

メゾソプラノ記号

まあ、私はもうアルト記号には慣れてしまいましたが・・・

アルト記号

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