![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153115594/rectangle_large_type_2_8d6e35eecd550be62dcaf6e485681803.jpeg?width=1200)
高いものが良いとは限らないという話 肩当て編
さて弦に続いては肩当てです。
昔は肩当てって単なる高さ調整のスペーサーに過ぎず
分数楽器だとほぼ製品もなかったりするので
スポンジや布を挟むだけで子供たちは楽器を習得していました。
Kunが日本上陸してからブリッジ型の肩当てを使う様になったと思います。
私も小6でフルサイズになった時に始めてKunを使いました。
そのうちKunがBravoというメイプル製の肩当てを発売しました。
楽器と同じ素材にした方が響きが良いだろう
という発想の商品だったと思います。高級肩当ての走りだと思います。
デザイン性も高く見た目も格好良いです。
その後は軽ければ軽いほど楽器の響きを阻害しないだろう
という発想で軽量肩当てが競うように開発されました。
Kun Voce、MachOneがそのような発想の製品だったと思います。
高級軽量肩当てブーム以降、肩当ての価格が3000円程度だった世界から
10000円程度の世界になったと思います。
ところがこの流れは止まらずに
Pirastro Korfker Restの登場以降、40000円超えの
肩当てが発売されるようになります。Kun Sevenも40000円超えです。
コレはいくらなんでも高すぎですよね。
実は私もこの流れに乗っかりPirastro Korfker Restの第1世代を
中古で20000円で入手しました。第1世代は調整パーツが少ないので
少し安かったのですが、現行の第2世代は50000円超えです。
メイプルを使わないプラスティックのモデルのPirastro Korfker Rest Runa
でも30000円超えです。
ところが現在、私はPirastro Korfker Restの第1世代を使っていません。
とても軽く使いやすいのですが、軽量化のため薄いメイプル製で
手で曲げてフィット感を変える事が出来ます。
これはウリのようであり欠点でもあります。
顎に挟むと薄く柔らかいので少したわむのです。
たわむ事により足も広がってしまうので非常に外れやすいのです。
また足の幅調整がとても難しいので外れ易さに拍車をかけています。
結局私はMachOneに戻ってしまいました。
そして私は高級肩当てに冷めてしまった一番の原因が
メイプル素材やカーボン素材などの軽量素材で
どの程度の響きに影響が有るかという点です。
実は私は肩当てでどの程度音色が変わるのか
同じ曲を演奏して録音し、
肩当て無し、Kun、MachOne、PediElegante、Pirastro Korfker Rest
の5パターンで聴き分けテストをしてみたのですが
自分でもビックリするほど差がなかったのです。
自分で弾いているような近距離では若干の差を感じなくもないのですが
客席があるであろう距離まで離れて録った出音で聴き比べてみると
音色の判別は完全に不可能でした。
これは何万円も掛けて拘るモノではないなーと冷めてしまいました。
肩当ては音色を変えるのが本来の機能ではなく
高さ調整するのが本来の機能です。
フィット感が良くて弾きやすい。デザインが好みでテンションが上がる。
ヴァイオリンケースに収納しやすい等の要素で
選べばよいのではないかと思います。
次回は松脂編です。