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ヴァイオリンではハイポジション、ヴィオラではローポジションに罠があるという話
ヴァイオリンはハイポジションで弾く事が多く
ボディの右肩の上から肘を内側に捻り込む様に弾くので
カラダにとってはとても不自然な体勢になります。
長い時間やっていると疲れますし慣れないと故障しやすいフォームです。
ヴィオラはあまりハイポジションを弾く事が無いので
ヴァイオリンよりは故障しにくいのか?というと当然そんな事は無く
ヴァイオリン以上にカラダに負荷が掛かる楽器です。
そもそも楽器が大きいですし重いです。
ヴァイオリンよりも弓圧を必要としますし、押弦にもチカラが必要です。
更に指の間隔の開きも広い訳ですから、なかなか過酷です。
そして意外に知られていない落とし穴なのがC線上のローポジションです。
ヴァイオリンのハイポジションとは対称的に低い音に罠があります。
ヴィオラはネックが長いのでヴァイオリンより肘を前に伸ばします。
その状態でC線を押さえる時は肘が伸びた状態で
手首を内側に捻り入れる必要があるので
C線上のローポジションの方が負荷が高いのです。
やってみるとわかりますが肘は曲げた状態の方が捻りやすく
肘を伸ばした状態だとあまり拗れないのです。
楽譜は チャイコフスキー 組曲くるみ割り人形 アラビアの踊り です。
60小節もの間、1stポジションでC線の人差し指とG線の小指で
押さえっぱなしなのです。
手や体格が大きければそれほど大変ではないのかもしてませんが
小柄で手が小さい私は肘を伸ばした状態でねじり込み
人差し指と小指を目一杯開いてオクターブを引き続けるのは
かなりの身体的負担なのです。
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ヴィオラはローポジションだからラクだろ?
なんてナメた事を考えてはいけないのです。