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ヴァイオリンのE線の話
ヴァイオリンのE線は特殊な弦だと思います。
G~A線はナイロンの芯線に金属の巻線が一般的ですが
E線だけは金属の芯線のみと構造的に異なりますから
移弦をしていく中でA線からE線に移る時に大きく音色が変化します。
切り替わりポイントが出来てしまうんですね。
そしてE線の開放弦はとてもキツい音になりますし
裏返る事も起きやすいのでとても使いにくい音となります。
とはいえE線へ切り替わった先に有る独特の音色は
ヴァイオリンの魅力でもあります。
私は曲調によってE線を時折使い分けます。
Larsen Il Cannone Soloist
私がメインで4本セットで使っている弦ですがE線が特に気に入っています。
キツ過ぎず抜けが良く裏返りもそれほど深刻ではなく
フラジオも鳴りやすいです。基本的にはコレを使っています。
Optima Goldbrokat
とても安価で裏返りも少なく音色も良いので使いやすい弦です。
張力は0.26、0.27、0.28の3種類が出ていますが
0.26を使っています。柔らかくてとても弾きやすい割に鳴ります。
0.27以上は張力が上がる割にさほど鳴りも強くなる訳でもないので
使わなくなってしまいました。
欠点はとても錆びやすく手汗をかかない私ですら
2週間ぐらいで黒錆が浮いてきます。
錆びにくいコーティングタイプも3種出ており
プレミアムスティール、プレミアムブラス、プレミアムゴールド
が出ています。これらは錆びないのですが
どういう訳か音色はコーティング無しの方が良いので
コーティングタイプは使わずノーマルを使っています。
張ってすぐ本番、本番終わったらさっさと張替え
という演奏サイクルの時だけ張ってます。
とにかく安いので気兼ねなく張替えできます。
Pirastro No.1
E線なのに巻線という変わった弦です。巻線だと全く裏返りません。
故意に裏返る様に弾いてみてもなかなか裏返らせられません。
また音色的にA線との繋がりも良くなります。
裏返らないE線にはKaplan solutionsやWarchal Amberもありますが
Pirastro No.1はちょうど中間といった感じで
裏返りの押さえ度と音色の自然さがちょうどよく気に入っています。
どうしてもE線の開放弦を使わないと弾けない曲に当たった時に使います。