永遠のテーマ 遠鳴り
遠鳴りという言葉があります。
過去にも2回このテーマで記事を書いています。
私にヴァイオリンを教えてくださっている
アカデミーカスタマイズの、あやか先生はウィーンで学んでいる時に
近くで聴くと汚い音なのに、遠くまで届きとても綺麗な音色を客席に届ける
ヴィオラ奏者に出会った話をしてくださいまして
その事で演奏方法を大きく見直したとの事でした。
私にも「その楽器はまだまだ鳴らせる」とおっしゃっていました。
ヴァイオリンやヴィオラを弾いている時に奏者は
楽器をダイレクトに顎に挟んで伝わってくる骨振動音と
耳のすぐ近くにある弦振動の直接音を聴いています。
遠くへ届いている音を自分で確認する事は出来ません。
自分で弾いている音を綺麗で美しい音に聴こえる様に
練習してしまうというのは実は結構落とし穴だと思っていまして
自分にだけは美しく聴こえるけれど客席には届かない音色を出す技術が
磨かれてしまうという罠が潜んでます。
近距離で録音したデータを聴いて復習するのも同様に危険だと思います。
なるべく広い練習会場やホールなどでの演奏機会を増やし
壁に反射して返ってくる残響音を聴いて練習する事や
ホールの一番奥に置いた機器で録音した音を聴いて復習する。
という方法が良いと思います。
私なりに見つけた遠鳴りさせる奏法は
・ボウイングの初動には思っているよりも弓圧が必要。
・弓が動き出し発音が始まった後からは弓圧よりも弓速が必要。
・思っている以上に弾くポイントはかなり駒寄りで弾く。
・弾いていない開放弦と共鳴する音程を取る。
かなり言語化が難しいですがこんな感じです。