軽い弓 重い弓
ヴァイオリンの弓は58~62gでヴィオラの弓は68~72g です。
なんとなくイメージとして軽い方が良い弓という印象があるかと思います。
このイメージには理由となる背景があります。
弓の棹材が強い物ほど良いと言われます。強い棹材の方が
細く削っても強度が確保できるので結果として軽く作る事が出来るのですが
では軽ければ良い弓かというと一概にもそうでもないのが難しい所です。
軽い弓は操作性が良いので速い移弦などは弾きやすいですが
弓先で圧が抜けるので人差し指で押して弓圧を上げる必要があり
コレが結構疲れたりするので、全弓をキッチリ使うフレーズは
意外に重い弓の方が弾きやすかったります。
また実際の弓の重さと弾いた感じの体感上の重さも一致しない事が
更に難しくしています。
同じ重さの弓でも弓先側に重心が有る弓はかなり重く感じますし
弓元に重心が有る弓はかなり軽く感じます。
更に弓先のチップや弓元の銀線等でトータルの重さだけでなく
重心位置も変わってきます。
とはいえ弓先や弓元だけで重心調整したものと
棹材の弓先、弓元の重量配分が違うとまた体感も変わってきますから
弓選びは難しいです。実重量での重さ軽さの先入観は一回捨てて
試奏での純粋な弾き易さで選んでみると、重さや重心に対する印象が
かなり変わってくると思います。