美濃和紙研修のまとめpart1〜紙漉き〜
皆さんこんにちは。
和紙職人見習いの舛田です。
大変お久しぶりになってしまいましたが、
岐阜県の美濃市で行われていた和紙漉き研修について書いていこうと思います。
研修は、2月半ばから3月半ばにかけての約1ヶ月間。
美濃市の「美濃和紙の里会館」を主な研修場所として開催されました。
この、美濃和紙の里会館。
美濃市の蕨生(わらび)というところにあり、目の前には板取川や雄大な山々が広がる、自然豊かな場所に位置しております。
美濃市の施設のようで、和紙職人の方のみではなく、職人を目指す若者のバイトさん、市役所の職員さんや事務系のパートさんなど、多くの人が働いておられました。
中では、観光客の方向けの体験や展示会が行われ、また売店やレストランなども入っている施設です。
また観光客に向けた施設だけではなく、美濃の和紙漉き職人が使える設備を揃えた別棟も存在し、有料ではあるものの格安(と思われる金額)で使用できるような仕組みになっていました。設備を揃えきれない若い職人などは、ここをよく使用しているようです。
さすが和紙の代表的産地、美濃。レベルが違う。。。
周辺にはコンビニひとつなく、修行にはもってこいの素晴らしい環境。
このような場所で1ヶ月間、過ごして参りました。
研修で学んできた内容は、大きく分けて以下の6つ。
1.和紙漉き研修
2.職人さんの工房見学
3.機械漉き和紙工場見学
4.美濃の街並み見学
5.和紙漉き道具の職人さん訪問
6.販売品調査
本日は、この研修のメインと言えるでしょう、1の和紙漉き研修について、ご紹介しようと思います。
1.和紙漉き研修
今回の研修では、和紙の基本サイズである、大判の和紙を漉く研修をさせてもらいました。
実は現在、修善寺ではこの約1/4サイズである美濃版という紙が、作成できる最大サイズです。
というのも、修善寺では設備はあるものの、ビジネスをしているわけではなかったために、大きな紙の需要も少なく、ずっとこれらの道具は封印されておりました。
そのため、私自身、大きな紙を漉くのははじめての経験となりました。
※修善寺でも大判の和紙漉きを復活させるべく、ただいま整備中です。その様子は別途お伝えします!お楽しみに!
まず!
驚くことに修善寺と美濃では漉き方が全然ちがう!!
ここにとてもびっくりしました。
文字でお伝えするのがとても難しいのですが、
修善寺では
1.化粧水
2.すくって縦ゆり横ゆり
3.2を何度か繰り返してそのまま捨て水
と言った具合にやるのですが
美濃では
1.化粧水
2.横ゆり
3.縦ゆり
4.払い水(捨て水含む)
といったいった4ステップで行います。
また、それぞれの工程、特に水の捨て方が全く異なり、とてもおもしろかった、、、!
工程の違いによってできる紙にどのような変化が起きてくるのか、その辺りも検証していきたいなと感じました。
そしてそして、大判ならではの違いはこちら↓
このサイズになると和紙原材料をすくったとき、とても重くて手の力だけでは持ち上げることが出来ません。
そのため、このように和紙漉き道具である、簀桁(すけた)を、糸を介して竹でぶら下げながら、紙を漉きます。
もちろん、美濃版のように手の力だけで漉くときとは感覚が全く違います。
しばらくは道具に踊らされる日々を過ごしました。笑
と、いいつつも2週間もやれば段々と、それなりに動かせるようになってきました。
ただ、大判で最も難しいと感じた工程が、乾燥です。
乾燥は、産地や工房によって設備もやり方も違うようですが、今回の研修では鉄板乾燥機を使った乾燥をやらせてもらいました。
美濃版程度の大きさであれば、比較的簡単に乾かすことが出来るのですが、大判サイズになると、男性の私でも両手を広げて貼り付けなければならないほど大きく大変で、とてもとても難しかった。。
結局、自分の納得いく大判の紙は、この研修期間では、1枚も作ることはできませんでした。
本当に奥が深く、難しい。そんなことを痛感した、和紙漉き研修でした。
細かいことを言い出すと、止まらないほど多くの学びがあったのですが、そこは実際足を運んだ者の特権ということで、、、
知りたい方がいらっしゃれば、修善寺紙屋和紙工房へお越しいただき、質問いただければと思います。笑
美濃研修については、part2に続きます。
お楽しみに!
【追伸】
先日から胃腸炎にかかってしまったようで、自宅療養をしておりました、、、
ベッドでできる仕事を!と思っていたところ、noteを更新することを思い出したので、投稿しました。笑
そろそろnoteの執筆を日課にしねば!と思っていますので、投稿を楽しみに待っていただければと思います!
よろしくお願いします。