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ガンジャ先生。7-1
7章 それぞれの気持ち
気がついた
蝉の鳴き声が鳴り響く。
遠くに聴く波の音とまざり優しく感じた。
ファンはまだ回ったまんまだ。
Dimitri Vegas & Like Mike vs David Guetta - Complicated
「んープンちゃん〜会いたい〜♪」
起きたら隣にタツヤ。。そうか昨晩ガンジャ先生が来て、そっちよれと追い出された。。うぅ狭い。
んーあんま寝たきしないな。。
時計を見たら6時過ぎ。すでに外は明るかった。
外に出て煙草を吸う。
今日も一日暑くなりそうだな。
□□□
いつもの様にみんな朝食で集まる。
トロピカーナ、フロントでも食べれたんだ。で、朝はパンとソーセージ、エッグと定番のものを食べた。
ケチャップや、魚醤、チリソースなど各々好きにかけて。。大分現地化してきたかな?
「それで今日の予定を伝える。昼までは自由時間だ。ただチェックアウトは12時迄なので道具の整理を行うように。また、昼過ぎにはフェリーに乗る。そこで簡単食事取るが、ここで食っててもいいぞ。そしてパンガンでホテルへ行く塩梅だ」
「「はい」」
「よし。それから俺はここにいる。中々時間取れなかったが、相談したいこと、解決できることはいつでも受け付ける。ちなみに言うなと言えば誰にも言わない。山本にもな」
少しざわっとした。
確かにみんなそれぞれ問題をかかえているし、こういう機会を言うのは初めてだった。
「大なり小なり人は罪を重ねているもんだ。それを業(ごう)と呼ぶ。人に嫌な事をさせられた、嫌な事をした、思い出したくないことも聞くだけならいつでも聞くから安心しろ。ただ、未亜の様に自分の力だけではどうしょうもない事もある。大人の知識を利用することも考えてみてくれ。時間はある」
「悪い事がある様にいい事も必ずある。絶対悪い事だらけの人生はない。まぁいい事だらけもいつか終わる。人生だしな」
「でも!続くことも。。」
「未亜。今日まで旅行来て楽しかったか?」
「は、はい。。」
「少なくともここにみんな来たのはいい事だと思う。顔見りゃわかるぞ。違うか?匠」
「いえ。。楽しかったです」
「そう。今はとても楽しい日々が続く。だけどな。帰らず遊んでばかりもいらねえだろ?」
「はい。。」
「この旅行に感謝するなら、お金を出してくれた両親、合わせてくれた学校に感謝しないとな。ちゃんと話してあげろよ」
そうだ。ずーっとこんな感じが続くと思っていた。。
気がついたら初日の移動を合わせ今日で。
9日目。。もう時間はない。
そんなに立っていたのか。
「先生。。死んだお父さんに旅行の。うグッ。話をしたいよ。。」
「泣くな未亜。父ちゃんはきちんと空から見ててくれたさ。俺は未亜の父親替わりにならねえか?」
「いえ!大丈夫です!」
「まぁ〜生きてるうちはいつでもバンコクにこい。ずーっと父親替わりで使ってくれ」
未亜はウンウンと頷く。声が涙で出ないようだ。
隣で茜がハンカチ渡している。
「あー湿っぽくなったなごめん。とりあえずビーチボールでもどうだ?そこあんだろ」
砂浜にはガッドが張っていて。
ボールもそばに2つ置いてある。
「はい!行こ?未亜ちゃん♪」
「あ、タツヤは少し残れ。話がある」
「お、オレっすか?!」
「・・説教じゃない」
匠ぃ〜と叫ぶタツヤを置いてビーチバレービーチバレーと。
そこで何話したか知らないけど、その後タツヤは少し落ち着いたと思う。
■■■
「別に何かあった訳じゃない。安心しろ。山本に聞いたが。。お前のチーム捕まったって知ってるか?」
「はい。。姉ちゃんがそんな事を言ってました」
「チームは解散らしい。まあほとんど留置場だが」
「マジですか!何したんですか?」
「飲食店で暴れて怪我人も出した。心当たりあるんじゃないか?」
う。。あの店だな。が警察沙汰になる程だ。言えない。
「それでだ。お前どうする?これから。」
「・・というと?」
「帰って違うチームに行って同じ事繰り返すか。変えるかどっちかだろ。良くてもキャバクラの店長とか、パチプロ。悪くてヤクザか捕まる未来しか見えんわ」
確かにガンジャ先生の言うことは。普通に考えてそうだ。
というよりそこまで先を考えていなかった。
「・・何も考えてないんだろ?」
「はい。。とりあえず旅行行けば少し落ち着くかなって。。ぐらいです」
「んじゃバンコクで働くか?」
「!!へ?」
「驚く事はない。一応こう見えてそこそこ仕事は来るんだ。俺社長だし」
「マジですか!働きます!ずーっといます!社長!」
「落ち着け。。俺もすぐ来いとは言ってない。また仕事も日本人相手だからな。それなり常識と判断がいる。日本人らしい考え方いう奴だ」
う。。苦手な分野。。
「だから本当に行くとこないなら、学校きちんと出て。一度就職してもいい。それからバンコク来い」
「ということは、、すぐじゃないですか?」
「・・今来ても遊んでどっちみち潰れるわ。常識がない。そんな奴ら山程いるぞ?この国」
確かに。。住みたいと思ったし。会いたいプンちゃん。。
「だからとりあえずは高校行け。くだらん授業かもしれないが、役に立つ事は山の様にある」
「でも。。俺行っても頭良くないし。。浮くっていうか」
「んじゃ友達と一緒に刑務所がいいんか?」
「嫌です。。」
「我慢になるかもしれんが、多分お前が一番学校で通用する。知識は力だ。力は世界に通用する」
マジか。。カッコいいな先生。
「ただ、他にやりたい事ができればそっちに行けばいい。無理やり来いという訳ではないからな。大学行きたければ行けばいいし、面白い仕事があればそっち行けばいい。タイ語も学びたいなら何処でもできるしな」
「ちょっと望みがでました!」
「この国で学んだように、お前達知らない事はまだまだある。だからそれを知る為にも一度。学校考えてみろ」
「はい。ありがとうございます!」
「・・わかったかどうか怪しいな。はぁ。まあビーチバレーでもしてこい。時間もあるしな」
先生。うまく言えないけど。何か分かってきた。
うまく言えないけど。このままじゃダメだと思った。
ありがとう!ガンジャ先生!
□□□
浜辺ではみんなで交代しつつビーチバレーしていた。
足が砂浜に埋まり思う様に動けない。
そしてこの朝とはいえ今日は雲ひとつない天気。灼熱の太陽。講義が始まり人も少ない。貸し切りだ。
女子だらけのビーチバレー大会はいろいろな所がちらちらと。。あー幸せ♪
「んぁー暑いし〜汗びっしょ」
「水着でしよっか、シャツ砂だらけなっちゃった。。」
「でも面白いねービーチバレー♪」
「匠くん?審判ばかりで楽しいのかな?ん?顔エロいぞ?」
はい。凄く楽しいです。。
だからそんな笑顔向けないで!雪菜様!
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